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離婚協議書の書き方ガイド|後悔しないために決めておきたいことと作成のポイント

- 離婚協議書とは?なぜ必要なのか
- 離婚協議書を作るべき人とは
- 離婚協議書に記載すべき基本項目
- 離婚協議書の書き方と注意点
- 離婚協議書を公正証書にするには
- ひとりで作成できる?専門家に依頼するべき?
- 離婚協議書を作る前に確認したい心の準備
- よくある質問(FAQ)
- 離婚の話し合いがまとまらないときは?調停離婚から裁判離婚への流れをわかりやすく解説
- 離婚で慰謝料はもらえる?請求の条件・相場・もらえないケースまで徹底解説
- 子どもがいる場合の離婚と親権のすべて|後悔しないために知っておくべき選択と変わる制度のポイント
- 離婚の財産分与で「持ち家」はどうする?ローン・名義・売却の注意点を徹底解説
- 離婚したいと思ったときに読むページ|迷い・準備・後悔しないための心構えと考え方
離婚協議書とは?なぜ必要なのか

口約束では不十分?書面化する意味
離婚の話し合いは、多くの場合、夫婦間の「口頭のやりとり」で進められます。
ですが、言った・言わないのトラブルを避けるためには、きちんと書面に残すことが大切です。
とくに金銭や子どものことが絡む内容は、記憶や解釈の違いで、離婚後に深刻な争いへ発展することがあります。
たとえば、
- 養育費の支払いが途中で止まった
- 「財産はもらえるはずだったのに」と主張される
- 面会交流のルールで揉める
こうしたケースでも、離婚協議書に明文化された内容が証拠になります。
後悔しないためにも、最低限の取り決めは書き残しておきましょう。
法的効力のある・なしで何が違う?
離婚協議書には「単なる書面」と「法的効力をもつ書面」の2種類があります。
ふたりで書いた協議書には法的拘束力がなく、約束を破られても、すぐに強制執行(差し押さえなど)できません。
一方、公正証書にした協議書であれば、養育費や慰謝料が未払いになったときに、裁判を経ずに給与差し押さえを行うことも可能です。
公正証書との違いと使い分け
「離婚協議書」と「公正証書」は混同されがちですが、正確には次のような違いがあります。
| 種類 | 作成方法 | 効力 |
|---|---|---|
| 離婚協議書(私文書) | 夫婦が自分で作成 | 証拠にはなるが、強制執行力なし |
| 離婚に関する公正証書 | 公証役場で作成 | 裁判を経ずに強制執行可能 |
すべてを公正証書にする必要はありませんが、金銭的な取り決めがある場合は、公正証書化を強くおすすめします。
離婚協議書を作るべき人とは

離婚後のトラブルを避けたいすべての人へ
「協議書なんて、仲良く別れるなら必要ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
ですが、たとえ話し合いがスムーズに終わっても、生活が変わることで関係性も変わるのが離婚後です。
時間が経つにつれ、
- 支払う余裕がなくなる
- 気持ちが冷めて連絡が取れなくなる
- 新しいパートナーが影響してくる
といった要因で、当初の合意が守られないリスクは十分にあります。
将来の自分と子どもを守るために、「記録としての離婚協議書」は欠かせません。
子どもがいる夫婦は特に要注意
親権や養育費、面会交流など、子どもに関する取り決めは感情論になりやすく、最も争点になりやすい部分です。
とくに養育費は「払う」「払わない」で揉めることも多く、書面化していなかったせいで泣き寝入りしたケースも少なくありません。
また、面会交流については、
- 「月に1回、週末に会う」
- 「子どもの希望を尊重する」
など、具体的に決めておかないと、実現しないまま関係が断絶することもあります。
財産・ローン・借金が絡む場合も必須
離婚の際には、共有財産だけでなく、住宅ローンや借金、連帯保証人の問題なども出てきます。
たとえば、
- 名義は相手だけど支払いは自分
- 契約は共同名義
- 車のローンが途中
などのケースでは、誰が何を引き継ぐのかを明記しないと、支払い義務だけが残る危険性があります。
また、後から相手に借金があることを知るといったこともあるため、「財産と負債の開示」「精算の取り決め」も忘れず盛り込みましょう。
離婚協議書に記載すべき基本項目

離婚協議書には、単に「離婚に合意しました」と書くだけでは不十分です。
離婚後の生活で発生するであろう問題に備え、あらかじめ取り決めておくべき項目が多数あります。
ここでは、最低限記載しておくべき5つの主要項目を解説します。
1. 離婚の合意
協議書の冒頭には、両者が協議のうえ離婚することに合意した旨を記載します。
例:
「夫○○○○と妻○○○○は、協議のうえ、令和○年○月○日をもって離婚することに合意した。」
この一文があることで、合意離婚の成立と日付の確認が明確になります。
2. 親権・養育費・面会交流
未成年の子どもがいる場合、必ず取り決めておきたい項目です。
- 親権者の指定:法律上どちらが親権を持つかを明記
- 養育費の金額・支払い方法・支払期限:例)毎月○万円を○日までに振込
- 面会交流の頻度や方法:例)月1回○曜日に実施、宿泊の可否など
特に養育費は、口約束では支払いが滞るリスクが高く、具体的な条件を書面化することが重要です。
3. 財産分与・住宅・ローン
共有財産については、どの財産をどちらが取得するかを明記しておきます。
- 現金・預金・株式などの金融資産
- 自動車や家具などの動産
- 持ち家(住宅)の名義・売却・住み続ける人など
- 住宅ローンの債務者・連帯保証人の整理
「〇〇のマンションについては妻が引き取り、ローン支払いは夫が続ける」など、不動産の扱いと支払い責任は明確にしておくべきです。
4. 年金分割
専業主婦(夫)であった場合、離婚後の年金に差が出ることがあります。
年金分割制度を利用する場合は、「合意分割すること」「割合」「手続きはいつ誰が行うか」を記載します。
例:
「厚生年金の標準報酬の50%を限度として、年金分割請求を行うことに合意する。」
5. 慰謝料・その他特記事項
不貞行為やDVなど、慰謝料の支払いがある場合は、その金額や支払い期日を具体的に記載します。
また、引っ越しや氏の変更、連絡手段などの取り決めがあれば、特記事項として加えます。
離婚協議書の書き方と注意点

離婚協議書は、正式な契約書と同様に作成します。
誤解や無効化を防ぐためには、構成と表現に注意が必要です。
基本構成と例文
離婚協議書の基本的な流れは、以下のようになります:
- 表題「離婚協議書」
- 作成年月日
- 当事者の氏名・住所・生年月日
- 各取り決め事項(前章で述べた項目)
- 作成部数と保管方法
- 署名・押印
例文(冒頭部分):
離婚協議書
夫 ○○○○(以下「甲」という)と妻 ○○○○(以下「乙」という)は、協議のうえ、離婚に関し以下のとおり合意し、本書を作成した。
このように、契約書の形式に則って記載することが基本です。
曖昧な表現はNG|トラブルになりやすい言い回しとは
離婚協議書では、「なるべく払う」「できる限り面会させる」といった曖昧な表現は避けるべきです。
NG例:
- 養育費は可能な限り支払う
- 面会は双方が希望する場合に応じて行う
OK例:
- 養育費として毎月3万円を、毎月末日までに乙の指定口座へ振り込む
- 面会交流は毎月第2土曜日の午後1時から5時まで、甲の自宅にて行う
子ども関連の取り決めの書き方
子どもに関しては、「子の福祉を最優先とする」視点が求められます。
- 親権者と監護者を分ける場合は、両者の役割を明記する
- 面会交流については、子どもの年齢・希望も考慮する
- 養育費は「大学卒業まで」「20歳まで」など、支払いの終了時期も明確に記載する
お金の支払い条件の書き方
金額だけでなく、支払方法・支払期限・遅延時の対応まで書くことで、実効性が高まります。
例:
「甲は乙に対し、養育費として毎月3万円を、毎月25日までに乙名義の口座に振り込む。
振込手数料は甲の負担とし、3日以上遅延した場合は年10%の遅延損害金を加算する。」
第三者(証人)を入れるべきか
法的には証人の署名・押印は必須ではありません。
ですが、公平性や信頼性を高めたい場合は、第三者を立てておくと安心です。
証人候補
- 互いの親族(中立な立場であることが望ましい)
- 弁護士や行政書士などの専門家
- 親しい友人など
離婚協議書を公正証書にするには

離婚協議書は夫婦だけで作成する「私文書」でも問題ありませんが、養育費・慰謝料・財産分与など“お金”が絡む場合は、公正証書にすることで初めて実効性が生まれます。
ここでは、公正証書化するメリットや流れ、必要書類、費用の目安を整理します。
公正証書にするメリットと効力
公正証書とは、公証役場で公証人が作成する「公的な文書」です。
最大の特徴は、強制執行力を持たせられる点です。
未払いが生じたときに、裁判をせずに給与差し押さえを申し立てられるため、支払いトラブルのリスクを大幅に軽減できます。
【主なメリット】
- 養育費の未払いが起きた場合、すぐに強制執行できる
- 文書としての信頼性・証拠力が高い
- 紛失した場合も公証役場で正本・謄本を再発行可能
- 中立の立場で公証人が内容を確認するため安心感がある
「離婚後が不安」「約束が守られないのではないか」と感じているなら、公正証書化することで精神的な負担が大きく軽減されます。
公正証書作成の流れ
公正証書は、次のような流れで作成します。
1. 事前準備:離婚協議書の原案を作る
まず夫婦の間で話し合い、
- 親権
- 養育費
- 財産分与
- 慰謝料
- 面会交流
などの内容をまとめた文案を用意します。
この段階は私文書の離婚協議書と同じで、まずは内容を言語化するところから始まります。
2. 公証役場に連絡し、予約を取る
公正証書を作成するには、公証役場に事前予約が必要です。
公証人が文案を確認し、問題がないか精査するため、メールやFAXで原案を送るよう求められます。
3. 公証人による内容チェック
公証人は、文案が法律に反していないか、表現に不備がないか確認します。
修正が必要な場合、公証人から指摘が入るため、安心して文書の精度を高められます。
4. 当日、双方が公証役場へ行き、署名・押印
当日は、本人確認書類を持参して、公証役場で正式に署名・押印します。
※事情がある場合は代理人を立てることも可能です。
5. 正本・謄本の受け取り
公正証書が完成したら、夫婦それぞれが保管する正本・謄本を受け取ります。
紛失しても再発行できる点は公正証書の大きな安心材料です。
公正証書化に必要な書類
一般的には以下の資料が必要です:
- 当事者双方の本人確認書類
- 離婚協議書の文案
- 戸籍謄本(必要に応じて)
- 住民票(必要に応じて)
- 子どもの情報(氏名・生年月日)
- 養育費の算定根拠や財産資料(ある場合)
公証役場によって必要書類は前後しますので、事前に確認しておくと安心です。
費用の目安
公正証書の費用は、取り決める金額によって変動します。
一般的な相場は以下の通りです。
| 内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 基本手数料 | 数千円〜数万円 |
| 養育費総額が大きい場合 | 数万円〜10万円台後半 |
| 代理人を立てる場合 | さらに別途費用 |
「高いのでは…?」と心配になる方もいますが、離婚後に支払いトラブルで何年も苦しむことを考えると、公正証書化の価値は大きいと言えます。
ひとりで作成できる?専門家に依頼するべき?

離婚協議書は、自分たちだけで作ることも、専門家に依頼することもできます。
どちらが良いかは、状況や不安の大きさによって変わってきます。
自作のメリット・デメリット
【メリット】
- 費用がかからない
- 自分たちのペースで話し合える
- 心情や事情に合わせて柔軟に書ける
【デメリット】
- 法律的に不適切な表現・抜け漏れが起きやすい
- 相手に押し切られ、不利な内容になりがち
- 公正証書化を見据えた書き方が難しい
特に、“相手が強くて話し合いが進めづらい”“言い返せない”という状況では、自作は不利になりやすい傾向があります。
弁護士・行政書士に依頼する場合のポイント
専門家に依頼する大きなメリットは、法律的な抜けや表現の曖昧さを防げる点です。
依頼を検討すべきケース
- 相手の不倫が絡んでいる
- DVなどで直接話し合いが難しい
- 住宅ローンや高額な資産がある
- 養育費や財産分与で意見が対立している
- 公正証書前提で文案を整えたい
行政書士は書類作成の専門家のため、協議書の整備が得意です。
弁護士は「交渉・代理」もできるため、トラブルが大きい場合に向いています。
費用相場と選び方
費用相場は次の通りです:
| 専門家 | 費用相場 |
|---|---|
| 行政書士 | 3万円〜10万円程度 |
| 弁護士(文案作成のみ) | 5万円〜20万円程度 |
| 弁護士(交渉を含む) | 20万円〜数十万円 |
選ぶ際は、
- 離婚案件の経験が豊富か
- 養育費・財産分与の取り扱い実績があるか
- 公正証書の作成経験があるか
を確認しておくと安心です。
「不安だから相談したいだけ」という方へ
専門家に依頼しなくても、一度だけ相談するという使い方もあります。
- 「この内容で大丈夫?抜けはない?」
- 「こういう書き方で問題は?」
- 「この条件は不利にならない?」
といった確認をするだけでも、精神的な安心感が得られ、後悔を減らせるでしょう。
離婚協議書を作る前に確認したい心の準備

離婚協議書の作成は、法律的な手続きというよりも、心の整理や覚悟の確認とも言えます。
「まだ離婚を決意しきれていない」「揉めたくないけど不安」という方にとっても、離婚協議書を作るという行為そのものが、今後の不安を和らげる準備になることがあります。
書面にするのが「怖い」と感じる方へ
協議書の作成をためらう理由のひとつに、「本当に離婚するんだ」という現実を突きつけられる気がして怖い、という声があります。
けれど、協議書は「離婚をすすめるための道具」ではなく、「自分と家族を守るための安全装置」です。
「まだ話し合いの途中だけど、気持ちの整理のために作ってみたい」
「離婚するか迷っているけれど、情報として知っておきたい」
そんな段階でも、作ってはいけないというルールはありません。
相手と冷静に話すための心構え
離婚協議書の作成には、相手との冷静なやりとりが欠かせません。
ときには感情が揺れ動き、会話が中断してしまうこともあるでしょう。
そのときは無理に進めるのではなく、いったん持ち帰る・第三者を入れる・時間をおくなどの工夫をしてみてください。
話し合いに向かうときは、次のような意識があると進めやすくなります:
- 相手を責めず、事実に集中する
- 感情的になりそうなら書面やメールで伝える
- 譲れないこと・妥協できることを事前に整理する
「まだ離婚するか迷っている」人でも作ってよい?
はい、問題ありません。
むしろ離婚に踏み切る前の段階で、「仮の協議書」「覚書」という形で条件を整理してみることは、感情に流されない判断材料になります。
たとえば、
- 養育費はどのくらい必要になるのか
- 財産はどのように分けるべきか
- 住まいはどうするか
そうした現実を紙の上で可視化することで、「離婚後の生活」の具体像が見えてきます。
その結果、「やっぱり離婚を回避しよう」と考え直すこともあります。
離婚協議書は、離婚を急がせるための道具ではなく、“冷静になるため”のツールとして活用することもできます。
よくある質問(FAQ)

Q. 離婚協議書がなくても離婚はできますか?
はい、可能です。
法律上は、離婚届を提出するだけで離婚は成立します。
ただし、口約束だけの離婚は、後から金銭や子どものことで揉めるリスクが非常に高いため、離婚協議書の作成が推奨されます。
Q. 離婚協議書の内容はあとから変更できますか?
基本的には、双方の合意があれば内容を変更・再作成することは可能です。
ただし、公正証書にした場合は、変更にも公証役場での手続きが必要になることがあります。
Q. 協議書に書いたのに相手が約束を守らない場合は?
私文書の離婚協議書では、すぐに法的強制力はありません。
一方、公正証書で「強制執行認諾条項」がある場合、裁判を経ずに給与差し押さえなどの手続きを取ることが可能です。
そのため、金銭に関する約束がある場合は、公正証書化しておくのが確実です。
Q. 離婚協議書を作るベストなタイミングはいつですか?
離婚届を出す前に作成するのが理想です。
なぜなら、一度離婚が成立してしまうと、相手と連絡が取れなくなる・協議を拒否されるといった問題が起きやすくなるからです。
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