高機能広汎性発達障害の子供への接し方
「広汎性発達障害(PDD)」とは、「対人関係の異常」「ことばやコミュニケーションの異常」「特徴的なこだわり」「想像力の障害」等の特徴を持つ、発達障害です。アメリカ精神医学会の分類では、広汎性発達障害(PDD)として「自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害(非定型自閉症を含む)」が掲げられています。
広汎性発達障害(PDD)には、知的障害をともなうものと、ともなわないものがあり、後者を「高機能広汎性発達障害(HF-PDD)」と言います。アスペルガー症候群・高機能自閉症をさす場合もあります。
高機能であってもPDDであれば,その場で何を求められているか理解できす、社会行動やコミュニケーション面でトラブルが生じやすくなります。集団行動が苦手なので、それがいじめや仲間外れにつながります。PDDによる独特の知覚の過敏性や不器用さが影響する場合もあります。
高機能広汎性発達障害は、外見では非常に分かりにくく、また知的レベルは高い場合もあるので、自分の子供がそうだと診断されても、受け入れにくい親もいます。まして周囲は「しつけができていない」と評価しがちで、それが母親を追いつめるケースもあります。
子供が不適応行動を起こした時に,周りが理解できずに叱るだけだと、それが新たな不適応行動を起こすという悪循環に陥りがちです。
高機能広汎性発達障害では、まず周囲が特性を十分理解のうえ,どんな時にどんなふうに行動すべきかを、具体的にていねいに教えていくことが大切だとされています。