自閉症と間違えやすいADHD
脳の障害には、ADHDの他に自閉症と呼ばれるものもあります。自閉症の症状は、ADHDと勘違いしてしまうことも多く、同じような行動が見られるようです。それには、友達の輪に入れない、衝動性行動や多動性行動などが挙げられます。
自閉症と一言で言っても、いくつかに分類されており、サヴァン症候群や高機能自閉症とも呼ばれるアスペルガー症候群などに分けられます。どちらの自閉症であっても、ADHDと症状が酷似しているものです。
ADHDの場合、思うがままに振舞う、コミュニケーション能力の低下、興味のあることだけに集中してしまうなどが顕著に現れます。思うがままに振舞うとは言っても、ADHDの場合は自閉症ほど酷くない特徴があります。これは、相手の立場になって物事が考えられるか否かにあるようです。
また、自閉症の場合は、自分で決めたことはやり通さないと気に入らないばかりか、パニックを起こしてしまうこともあります。そして、興味を示すものが限られている傾向も見られ、異常なこだわりを示すというのもADHDとは異なる点です。
さらに、行動パターンにおいても違いが見られます。自閉症の傾向としては、自分が何をやって良いか判断が付かなくなるとそわそわしだす行動が現れます。これがアスペルガー症候群の場合、自分が置かれている状況が掴めなくなると多動が起こるようです。
ADHDでは、状況に関わらず多動が起こると言われています。いずれも、細かく分析すれば行動パターンがある程度掴めますが、医師でもADHDとの違いを見出すのは至難の業のようです。