なぜADHDになるのか
ADHDは、まだ不可解な部分が多いことで、はっきりした原因が分かっていないのが現状です。研究自体が進んでいても、見解は医師によって異なるようですが、分かっているものもあります。
ADHDは、脳に異常が現れることで発症します。脳の中にある、右前頭葉皮質、小脳虫部、大脳基底核の淡蒼球及び尾状核の異常によって、ADHDが引き起こされることが分かっているようです。
右前頭葉皮質は、その人の性格、認知行動を司っている場所です。また、秩序を持って行動するための能力を保持しているのも右前頭葉皮質になります。急に怒りっぽくなったり、集中力がすぐ途切れていまう場合は、ADHDの可能性があると言えます。
小脳虫部は、縮小が起こることでADHDが発症するようです。注意力が散漫になったり、落ち着きが無いなどの症状は、小脳虫部の異常によって引き起こされます。
このように、ADHDは脳の重要な部分に異常が発生することで症状が現れるのです。脳は、人間の様々な行動、記憶力、感情、学習能力などを幅広くコントロールしています。
ADHDを発症してしまえば、これらの能力が弱まってしまうのです。このうち、記憶力が弱ってしまうと、学習能力にも影響が出てくると言えます。
子供の場合、元々自由に行動する傾向があるため、すぐにADHDであることに気付くのは難しいかもしれません。子供が極端に落ち着きがない場合は、脳の神経回路に発育障害が起こっている可能性が高いようです。