借金が5社以上に…多重債務は放置するとどうなる?リスクと対処法を徹底解説

借金が5社以上に…多重債務は放置するとどうなる?リスクと対処法を徹底解説













なぜ「5社以上」がレッドゾーンなのか──件数が増えるほど危険度が跳ね上がる理由

借入件数が1社や2社なら、たとえ残高が多くてもまだ冷静に対処できる余地はあります。

しかし、借金が5社を超えてくると、危険度は一気に跳ね上がります

なぜなら、返済管理が複雑化し、生活全体が借金に支配されやすくなるからです。

平均借入社数のデータと世間の意外な実態

日本貸金業協会などが公表する統計によれば、消費者金融などで借り入れをしている人の平均社数はおおよそ2〜3社です。

つまり、5社以上から借金がある状態というのは、統計上も“多重債務”としてリスクが高いグループに分類されます。

もちろん、金額が少なければ直ちに危険とは限りません。

しかし、件数が多くなるほど、次のような問題が起きやすくなります。

借入額より社数が多いことが問題になる3つのメカニズム

1つ目の問題は「返済スケジュール管理の困難さ」です。

毎月5社以上に支払日がある場合、期日がバラバラで管理が煩雑になります。

支払い忘れや遅延によって、すぐに延滞状態に陥るリスクがあります。

2つ目は「利息の累積」です。

社数が多ければ、その分それぞれに利息が発生し、“利息を払うために借りる”という悪循環に陥りやすいです。

3つ目は「信用情報への悪影響」です。

借入社数が多いと、クレジットスコアが下がり、新たな借り入れが難しくなるうえ、金融機関から「返済能力に問題あり」と判断されやすくなります。

そのため、“金額より社数”が重大な警戒ポイントになることは、あまり知られていないものの、極めて重要です。







【放置リスク1】返済スケジュール破綻と“延滞ドミノ”の恐怖

多重債務の最も深刻な落とし穴のひとつが、返済スケジュールの破綻によって連鎖的に延滞が起きてしまう「延滞ドミノ」です。

たとえば、5社以上に借金がある場合、支払い日は月に5回以上あるかもしれません。

給料日前に支払日が集中すれば、それだけで資金繰りが詰まり、1社でも遅れると連鎖的に全体が崩れてしまいます

このような状態になると、毎月の家計は「どの借金を先に払うか?」という選別に追われ、必要な生活費まで削られることになります。

食費や交通費を削って返済に充てるようになれば、心身ともに余裕はなくなり、冷静な判断力も失われていきます。

さらに、延滞が1社に発生すると、その金融業者から督促の電話や郵送物が届くようになります

すると他社への返済にも心理的な負担がかかり、余計に手が回らなくなるという悪循環に陥ります。

一度“返済のサイクル”が崩れると、立て直すには相当な努力と時間が必要です。

延滞が1件でもある状態での新たな借り入れは、ほぼ不可能。

まさに「多重債務者が陥りやすい初期の破綻ポイント」といえるでしょう。







【放置リスク2】信用情報ブラック化でローンもクレカもストップ

借入先が5社以上あるという状況は、たとえ延滞がなかったとしても、金融機関にとっては“要注意”です。

ましてや1件でも延滞がある場合、信用情報機関に事故情報(いわゆる「ブラック情報」)が登録される可能性があります。

日本には主に「CIC」「JICC」「全国銀行個人信用情報センター」という3つの信用情報機関があり、金融機関はここで申込者の履歴を確認します。

延滞が発生し、61日以上または3か月以上続くと、「異動」として登録されるのが一般的です。

一度でもブラック情報が登録されてしまうと、5年程度はあらゆる審査に通りづらくなります

住宅ローンや自動車ローンはもちろん、クレジットカードの新規作成・更新もできなくなるケースが多いです。

つまり、生活に必要な金融サービスが使えなくなることで、お金の選択肢が極端に狭まり、自立した生活がしづらくなります

ブラック化が進んだ状態でできることは限られており、早期の対処こそが唯一の防御策といえます。







【放置リスク3】督促から差押え・訴訟へ──法的手続きのタイムライン

借金を長期間放置してしまうと、やがて「督促」から「法的措置」へと進行していきます。

この流れは、金融機関によって違いはありますが、一般的には以下のような段階を踏みます。

まず、返済が1〜2か月滞ると、電話や郵送での督促が始まります。

この段階ではまだ交渉の余地がありますが、それを無視し続けると、債権回収会社への移管や、簡易裁判所への訴訟提起に進展します。

裁判所から支払督促や訴状が届くと、無視するわけにはいきません。

異議申し立てをしなければ、そのまま強制執行(差押え)に至る可能性があります。

差押えの対象となるのは、主に以下のものです。

  • 銀行口座の残高
  • 給与の一部
  • 自動車などの資産

とくに給与の差押えは、職場に借金の存在が知られる原因にもなりかねません

生活の基盤を大きく揺るがすことになり、退職や転職を余儀なくされるケースもあります。

こうした法的手続きは、いったん始まると止めることが難しくなります。

だからこそ、“訴訟に発展する前の段階”で動くことが極めて重要です。

放置では何も解決しません。

むしろ状況を悪化させるだけです。







【放置リスク4】メンタルヘルスと人間関係への深刻なダメージ

借入件数が増えていくと、返済に追われる日々が続き、精神的なストレスが慢性化していきます。

特に5社以上の借金を抱えている方の多くは、「どこにいくら返したか」を常に気にしている状態で、日常的に不安と緊張にさらされていると言っても過言ではありません。

このような状態が続くと、不眠・焦燥感・自己否定感などのメンタル不調が顕著になり、最終的には「うつ状態」や「希死念慮」にまで発展する危険性があります。

誰にも相談できず、社会的孤立が進行すれば、そのリスクはさらに高まるでしょう。

また、家庭内で借金のことを隠している場合、家族との関係がぎくしゃくしたり、嘘を重ねてしまうことで信頼を失ったりすることがあります。

子どもの進学や配偶者との将来設計に不安を感じても、本音を言えずに抱え込むようになり、家庭崩壊につながるケースも珍しくありません

職場においても、借金が原因で集中力を欠いたり、遅刻・欠勤が増えたりすれば、人間関係や評価に悪影響を及ぼすでしょう。

つまり、多重債務は単なる「お金の問題」ではなく、心と人間関係の問題でもあります







まずはセルフチェック!多重債務“危険シグナル”5項目

ここで、一度立ち止まってご自身の状況を客観的に確認してみましょう。

以下の項目に複数当てはまる場合は、すでに多重債務の“危険水域”に入っている可能性があります。

1. 月々の返済額が手取り収入の3割以上になっている

収入の30%以上が返済に消えている場合、生活に無理が生じている可能性が高く、早期対策が必要です。

2. 支払日を把握できておらず、期日管理に自信がない

「いつ・どこに・いくら払えばいいか分からない」状態は、延滞リスクの高い状態です。

3. 利息しか払えず、元本がまったく減っていない

返済しても「借金が全然減らない」という感覚がある方は、利息だけを払い続けている可能性があります。

4. 新たな借入で別の返済を補っている

これを繰り返していると、いずれ融資の受け皿がなくなり、完全に行き詰まります。

5. 借金について家族にも話せず、誰にも相談できていない

「誰にも知られたくない」気持ちは当然ですが、同時に孤立を深め、冷静な判断力を失いやすくなります

ひとつでも当てはまれば要注意、3つ以上当てはまるなら、早急な相談を強くおすすめします







解決ロードマップ:多重債務から抜け出す5ステップ

「もう5社以上にもなってしまったし、どうにもならないのでは……」と感じている方も少なくありません。

しかし、多重債務から抜け出す道は必ずあります。

以下のステップを踏めば、現状を整理し、再スタートを切ることは十分可能です。

1. 家計と借入一覧を可視化し“優先順位”を決める

まずは、毎月の支出と収入、そして借入先ごとの残高・利率・返済日をすべて書き出して整理します。

この段階で、どの借入が一番重いか、利息負担が大きいかが見えてきます。

2. 低金利おまとめローンで一本化を検討(審査ポイント)

信用情報に延滞がない場合は、おまとめローンによる一本化も選択肢です。

利率を下げて、月々の返済を1本にまとめれば、精神的・金銭的負担は大きく軽減されます。

ただし、審査のハードルはやや高いため、信用状態の確認が重要です。

3. 任意整理で利息カット+3〜5年分割を交渉

すでに延滞がある、あるいは返済が困難になっている場合は、任意整理によって利息カットや長期分割を交渉できます。

弁護士や司法書士を通じて、借入先と話し合いを行い、現実的な返済計画を立てる手法です。

4. 個人再生で元本大幅圧縮──住宅ローン保持例も紹介

収入はあるが返済が困難な場合、個人再生で借金の元本を大幅に圧縮できます。

住宅ローン特則を利用すれば、自宅を手放さずに債務整理することも可能です。

5. 自己破産でリセットすべきケースと誤解の払拭

支払いが完全に不能な状態なら、自己破産によって借金をゼロにする方法もあります。

自己破産は生活の再出発を可能にするための法的制度です。







よくある質問(FAQ)

Q. 返済より生活費を優先しても大丈夫?

生活費を削ってまで返済を続けるのは危険です。

まずは最低限の生活を維持できるよう支出を整理し、法的整理や交渉を検討する方が長期的には安全です。

Q. 6社目・7社目を借りてもいいですか?

基本的にはおすすめできません。

借入社数の増加は信用情報に悪影響を与え、後戻りできなくなるリスクが高まります

返済のための新たな借金は、破綻の前兆とも言われています。

Q. 支払いを滞納してしまいました。まだ間に合いますか?

はい。

督促が来ている段階なら、任意整理や個人再生の手続きで対応可能です

早めの相談が解決への近道です。

Q. 自己破産したら、もう借金はできなくなりますか?

自己破産後は一定期間、新たな借入やクレジット契約は難しくなりますが、永久に使えなくなるわけではありません

一定年数が経過すれば、再び利用できるようになります。







まとめ──「社数が多い今こそ、最速で行動を起こすべき理由」

借金問題において、「総額」よりも見落とされがちなのが「社数の多さによる危険」です。

5社以上に借り入れがある状態は、それ自体が多重債務として深刻な警戒信号となります。

件数が多いことで返済管理が困難になり、延滞・信用低下・法的措置といった連鎖が生まれやすくなります。

しかし、状況を整理して正しい手段を講じれば、必ず再スタートを切ることは可能です。

むしろ、「社数が増えてこれ以上どうしようもない」と感じた今こそが、行動を起こす最大のタイミングといえるでしょう。

放置するほど選択肢は減り、被害は拡大します。

まずは、信頼できる相談先に一歩踏み出してみてください。

あなた自身が壊れてしまう前に、今、はじめてみませんか。







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