妊婦とインフルエンザ

妊婦とインフルエンザ

毎年12月頃から流行しはじめ、1月下旬から2月にピークを迎えるインフルエンザ。38~39℃の高熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感などの症状で、深刻なケースでは死亡する場合もあり、軽く見るのは危険な病気です。肺炎など重症化するケースもあります。

最近は効果的な抗インフルエンザウィルス薬も開発されていますが、強い薬となるため、妊婦や授乳中のお母さんに対しては使用が制限されています。そのうえ、解熱鎮痛剤の投与も限られているので、かなり辛い思いをすることになります。そのため、予防接種を希望する妊婦も多いようです。

ただ医療機関では、妊娠中は基本的には予防接種を避ける傾向が強いので、「妊婦はインフルエンザの予防接種をうけていいのか?」という疑問もあるかと思います。国立感染症研究所感染症情報センターの情報では、インフルエンザワクチンが胎児に影響を与えるとは考えられていないそうです。

アメリカでは、14週以降の妊婦にはインフルエンザの予防接種をするべき、という姿勢ですが、日本では、国内での調査成績がまだ十分ではないため、医療機関が妊婦に積極的にワクチンの接種を薦めてはいません。

結論からいえば、現在のところ、特別な副反応や胎児に異常の出る確率が高くなったというデータは無いので、妊婦の接種は問題ないとされていますが、最終判断は個人に任されている、ということですね。その理由の1つには、インフルエンザの予防接種をしても、100%かからないという保証がないことが挙げられます。また妊娠初期はいろいろな危険が考えられるので、医師のアドバイスを受けた方が安心です。