妊婦と体重管理と運動
妊娠すると、周囲から「妊婦さんだから赤ちゃんの分まで食べなさい」といったアドバイスをされることもあるかもしれません。が、実はこれ大きな間違いです。戦前・戦後食べるものがない時期には、妊婦に優先して栄養を与えるために、こういう言い方も有効でしたが、飽食の時代ともいわれる今、妊婦の食べ過ぎはさまざなトラブルのもとです。
妊娠中に極端に体重を増やしてしまうと、妊娠高血圧症候群や妊娠中毒症、糖尿病を引き起こす危険があります。産道に脂肪がつくことで難産の確率がアップしてしまいます。その一方、間違ったダイエットの影響で、2,500グラム以下の低出生体重児も増加しています。低出生体重児は生活習慣病にかかるリスクが高いともいわれています。
ただでさえ、おなかが重くなって運動不足にもなりがちですが、まったく運動しないと筋力がおちて、赤ちゃんを産む時にいきむ力が弱まりますし、微弱陣痛になりやすいとされています。また、心配出産後体重が戻らないだけでなく、肥満しやすい体質に変化するおそれもあります。妊娠中も、意識して運動を行って、体重管理に努めましょう。
スポーツクラブやフィットネスクラブ、スイミングスクールなどでもマタニティー向けのスポーツ教室が数多く開かれています。エアロビクスを妊婦向きにアレンジしたマタニティビクスやマタニティヨガなども人気です。またダイエットの王道でもあるウォーキングも、道具も費用もかからないので手軽にはじめられますね。この場合もくれぐれも無理は禁物。自分に合った運動で、体重管理を行ってください。