アスペルガー症候群の子供への接し方
「アスペルガー症候群」または「アスペルガー障害」は、社会性や興味・コミュニケーション面で、特異性が認められる広汎性発達障害の1つです。「知的障害がない自閉症」として、「高機能自閉症」と同義で扱われる場合も多いです。
アスペルガー症候群の子供の特徴としては、家族を含めて他者への共感が乏しく、マイペースな行動をとることがあげられます。本人に悪意はないのですが、ルールを守らない場合、トラブルになりやすく、「わがままな子だ」と思われがちです。
まわりに合わせることが苦手で、空気や人の表情、また言葉に隠れた意味を読めないので、「言わなくても分かるはずだ」というのは通用しません。相手が嫌がっていることがわからないので、悪気がなく傷つけることもあります。
アスペルガー症候群の子供は、規則的で習慣的な作業を身につけることが得意です。説明する時に絵や写真などを使って一目でわかるようにするなど、一つひとつ丁寧に伝えることで、きちんと作業をこなし、それによって責任感や自尊心を育んでいけます。
一度覚えた習慣は、自分で規則正しく行える几帳面さがある反面、自由度の高いことに対して不安定になりがちです。好きなことには集中力を発揮するので、趣味を作ってあげることも大切です。
なお、大人では、映画監督のスティーブン・スピルバーグや、ポケモンの生みの親の田尻智など、著名人がアスペルガー症候群の診断を受けている事を公表しており、「変わり者の天才」というイメージをもたれがちですが、発症の仕方は個人差があり、ひと括りにするのは危険だとされています。