掛川市の相続の手続き完全ガイド|まず何をすればいい?期限・流れ・必要書類を徹底解説

相続の手続き完全ガイド|まず何をすればいい?期限・流れ・必要書類を徹底解説


まず何をすべきか?掛川市で相続税の申告が必要なケースとは?

身近な家族との別れが生じたとき、感情が準備ができないまま現実の手続きに直面することになります。

相続の手続きは気持ちの整理がつく前に始まることになるため、感情がついていかず戸惑う方も少なくありません。

亡くなった直後にやること(1週間以内)

掛川市での相続の手続きに着手する前に、最初にすべきことがいくつかあります。

初期の手続きの代表例が死亡届提出になります。

死亡届は死亡という事実を把握した日から1週間以内に市区町村役場へ届け出なければいけません。

さらに、火葬に関する許可証や埋葬の許可証の手続きも必要になります。

このタイミングでは「相続」に関することよりも葬儀や埋葬に関する公的な手続きが先に必要となると理解しておくとよいでしょう。

初期対応で重要な主要な手続き

相続人の役割として、掛川市でなるべく早く行っておきたいのは下記のような確認や準備です。

  • 預金通帳や保険関連の書類などの必要な書類の保管確認
  • 資産の有無と財産全体の把握(家や土地、銀行口座、株、負債など)
  • 遺言書の有無チェック(公正証書による遺言や自筆による遺言)

とくに遺言の存在有無は、続く相続手続きに強く影響します。

自宅にある金庫や金融機関の貸金庫、公証人役場に預けられている可能性も考えて、漏れなく確認することが大切です。

相続人が対応すべきこと・注意すべきこと

掛川市においても相続に関する手続きでは、法律上の義務が相続人に発生します。

だからこそ、自分が法定相続人にあたるのか、他の誰が相続人になるのかという点を、初期のうちに確認しておくことが求められます。

遺産相続には財産をもらうだけでなく、借金を背負う恐れがあることも理解しておきましょう。

債務や保証人としての責任を確認しないまま継承してしまうと、深刻な問題を招く恐れもあることから、遺産の全体像を事前に整理しておくことが大切です。

掛川市での相続税の申告が必要になるのはどんなとき?

掛川市においても、すべての遺産相続に相続税が発生するわけではありません。

相続税がかかるかどうかは、相続した財産の合計が基礎控除額を上回るかどうかで決まります。

まずは、自分たちの場合が課税の対象にあたるのかを判断しましょう。

基礎控除の考え方|申告が必要かどうかの見極め

相続税の基礎控除額は以下の計算方法で算出します。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、相続人が配偶者と子2人の場合、基礎控除は4,800万円(3,000万円+600万円×3)となります。

この控除額を上回る資産額がある場合に限り、相続税の申告と納税が必要になります。

不動産や未上場の株式を持っていると、想像以上に評価額が高くなることもありうるため気をつけましょう。

相続税申告が必要な人の必要な手続き

相続税の申告対象となる場合は、被相続人の死亡を知った日から10ヵ月以内に申告と納税を行う必要があります。

申告は亡くなった方の居住地を管轄する税務署にて行い、提出書類は以下になります。

  • 相続税の申告書(第一表〜第九表)
  • 財産の評価に関する明細書
  • 相続関係説明図
  • 住民票や除籍謄本等
  • 不動産の登録証明と評価書
  • 金融資産の残高証明

必要書類の量はかなり多く、専門的な知識も不可欠であるため、掛川市でも税理士へ依頼する方がほとんどです。

相続税の申告では、正しく控除措置を行えば課税額を大きく減らせるケースもあります。

意図せず過剰に納付してしまう、逆に過少申告になるといったトラブルを生じないようにするためにも、税理士の力を活かしましょう。

相続に精通した税理士選びの際には、相続税に強い税理士を探している方へ|後悔しない依頼先と選び方のポイントを参照してください。


掛川市の相続手続きの全体の流れと期限

相続に関する手続きはすぐに完了するものではありません。

掛川市でも数ヶ月〜1年以上かかることも珍しくないので、最初にスケジュール全体を掴んでおくことが、後の混乱を避けるために重要です。

一般的な相続手続きの時系列スケジュール

次に示すのは、典型的な相続関連の手順です。

時期主な手続き内容
死後7日以内死亡届提出、火葬の許可申請
〜3ヶ月以内相続人の特定、遺言内容の確認、相続財産の確認、相続放棄・限定承認の判断
〜4ヶ月以内被相続人の準確定申告(生前所得分)
〜10ヶ月以内相続税の申告・納付(相続税がかかる場合)
期限なし遺産分割協議、不動産や預貯金などの名義の切り替え

このように、手続きごとに異なる締切が課されているため、あらかじめカレンダーなどで進行を管理することが理想です。

手続きごとの法定期限一覧(死亡の届出や相続放棄や準確定申告、相続税等)

相続に関する手続きでの重要な期限は次の通りです。

  • 死亡届の提出:死亡から7日以内
  • 相続放棄・限定承認:死後3ヶ月以内
  • 準確定申告:4ヶ月以内
  • 相続税の手続き:10か月以内

期限内にできなかった場合、相続放棄が認められなかったり、延滞税や加算税がかかる恐れがあります。

期限を過ぎたらどうなる?延滞や無申告による影響

相続の放棄や相続税の申告期限を過ぎてしまった場合、掛川市においてもとくに相続放棄の手続き期限を経過すると、借入金や借金を含むすべての財産を自動的に相続したとされるため、要注意です。

相続税申告についても、10か月を超えると延滞税や無申告加算税の対象になるケースがあります。

これらのリスクを避けるためにも、早めの確認と手続きが欠かせません。


相続人の確定と戸籍収集のやり方

相続に関する手続きを行うときに欠かせないのが、相続人の確定になります。

「自分が相続人のはず」と思っていても、法的な扱いが異なっていることがあります。

また、掛川市でも、戸籍集めには手間がかかるケースも多く、早めに取り掛かるべきです。

相続人は誰?相続人の確定手順

法定相続人は、民法に基づき規定されています。

基本的には以下の順位です。

  1. 配偶者(必ず相続人)
  2. 子ども(子がいない場合は直系尊属:親・祖父母)
  3. 兄弟姉妹(他に該当者がいないとき)

たとえば、配偶者と子どもがいる場合は、両方が相続する権利を持ちます。

逆に、子どもがいない夫婦であれば、残された配偶者と故人の親(親がいない場合は兄弟姉妹)が相続人となることもあります。

血縁関係の把握だけでは不完全であり、正式な戸籍をもとに相続人の確定を行うことが求められます。

必要な戸籍の種類と取り寄せ方法

相続人を確定するために求められる戸籍は、以下のとおりです。

  • 亡くなった人の生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍(改製原戸籍も対象)
  • 相続する人全員の現在の戸籍謄本

故人が改籍や婚姻があると、複数の市区町村に請求が必要となるケースもあり、想像以上に負担が大きくなります。

戸籍を取り寄せるには、役所の窓口・郵送・一部自治体ではネット申請が可能な場合もありますが、郵送では1〜2週間ほど日数がかかることもあります。

早めに取りかかりましょう。

戸籍請求において注意が必要なポイントと対処法

掛川市でも、ありがちなのが次のようなつまずきです。

  • 戸籍の筆頭者が変わっていて、記録が追跡できない
  • 古い戸籍が読解しにくい
  • 改製原戸籍が他の自治体にある
  • 被相続人が養子だった

このような場合は、専門家である行政書士や司法書士に依頼することも検討してみてください。

費用はかかりますが、スピーディーに正しくそろえることができ、相続手続き全体が円滑に進みます。


遺産の全体像を把握する|財産と債務の確認

相続手続きを進めるには、すべての相続財産を詳細に把握することが極めて大切になります。

相続財産にはプラスの財産とマイナスの財産の両方があるため、すべてをもれなく把握しておきましょう。

プラスの財産:預貯金・不動産・株など

一般的なプラスとなる財産は以下のようなものです。

  • 預貯金(銀行や郵便局の口座)
  • 不動産資産(土地・建物など)
  • 株式・投資信託などの投資資産
  • 自動車・貴金属・骨董品
  • 生命保険金(受取人が被相続人の場合)

とくに預金口座や不動産は、将来の名義書き換えに直結してくるため早めに調べておきましょう。

不動産については、登記簿謄本を法務局で取得することで名義や評価額が確認できます。

遺産となる不動産の処理に関しては、相続した不動産を売却したときの税金ガイド|譲渡所得税・3000万円控除・期限と注意点を徹底解説も参考にしてください。

マイナスの財産:借金や未払金・連帯保証など

借入や保証責任は、相続によって自動で相続されます。

次のようなものが該当となります。

  • 消費者ローンや金融機関の借入金
  • クレジットカードの利用料金の残額
  • 税金や公共料金の未払い分
  • 気づかないまま保証契約をしていた債務

借金などの存在に気づかないまま相続してしまうと、重い債務を背負う可能性があるので、十分注意が必要です。

財産目録の作り方と注意点

財産の確認が終わったら、相続財産目録を作成しておきましょう。

相続税の申告や、遺産分けの話し合いの資料にもなります。

目録には次のような内容を記録します。

  • 資産の種類(金融資産・不動産など)
  • 物件の住所や口座番号、証券コードなどの詳細
  • 評価金額(相続時の概算で問題なし)

自分で作っても法的に有効ですが、記載ミスを避けるためにも遺言などが残されている場合は文面を確認しながらまとめると良いでしょう。


掛川市での相続放棄・限定承認の判断と手続き

相続人は、財産を受け取るかどうかを選択できます。

特に債務を引き継ぐ可能性があるときには、相続を放棄することや限定承認という選択肢も大切です。

相続放棄・限定承認とは何か?違いと選び方

  • 相続放棄:相続に関する一切の権利義務を放棄し、最初から相続人でなかったことになる
  • 限定承認:プラスの財産の範囲で、マイナスの財産も弁済する(超過分は支払わない)

借金がプラスの資産より大きい可能性があるときは、相続放棄または限定承認を選択肢に入れます。

限定承認は相続人全員の同意が必要となり、掛川市でも、実務上はあまり利用されていません。

家庭裁判所での申述手続きの流れ

相続放棄や限定承認は、家庭裁判所に向けた申述の手続きが必要となります。

必要書類の例

  • 相続放棄申述書
  • 亡くなった方の住民票除票や死亡が記された戸籍
  • 相続人の戸籍謄本
  • 収入印紙や切手

書類の準備に準備期間を要するため、三ヶ月以内の期間を意識して早期に行動することが重要です。

放棄できる期限と、放棄が無効となる事例

相続放棄の期限は「相続が始まったと知ったその日から3か月」です。

一方で下記のような行動をとると単純に相続したとされ、放棄が不可能になるおそれがあります。

  • 故人の預金を引き出して消費した
  • 相続した財産の一部を使用した
  • 相続税の申告を完了させてしまった

掛川市でも、相続放棄を視野に入れるなら、安易に相続財産に触れないことが重要です。


専門家に依頼すべきかの判断

相続関連の手続きは人生で何度も遭遇するものではありません。

「誰に相談したらいいの?」「自分でやっても大丈夫?」と不安になる方は掛川市でもよく見られます。

ここでは、代表的な相談先と、それぞれの役割を説明します。

税理士・司法書士・行政書士の担当業務と違い

専門家主な役割
税理士相続にかかる税の申告・節税対策、死後の確定申告など
司法書士不動産の相続登記、法務局への申請業務
行政書士遺産分割協議書や戸籍関係書類の取得、手続き書類の作成

たとえば、相続税の対応をするなら税理士、不動産の登記を進めるなら司法書士、というように、専門家によって専門分野が分かれています

自力で可能な手続きと外部に依頼すべき手続き

次のような基準で判断するのが適切です。

  • 戸籍の収集:多少時間を要するが自力で可能
  • 相続人を特定する作業:自分でできるものの誤認の可能性あり
  • 不動産登記の手続き:自力も可能だが難易度が高い
  • 相続税の申告:税理士への依頼が無難

とりわけ期日が決まっている手続きや、不利益が生じる恐れのある局面では税理士などへの相談を前向きに検討するのが望ましいです。

トラブル予防としての専門家の活用

「身内だけで手続きを済ませた方がよい」と思っていても、相続内容の決定で対立が起きる例は掛川市でも珍しくないのが実情です。

専門家を中立な立場として入れることで、感情的な対立を回避できます。

誰にお願いすべきか決めかねている方は、次のページもご活用ください。


名義変更・各種相続の手続き

相続内容が決まったあとは、それぞれの財産の名義を新しい相続人に変更する手続きが必要となります。

ここでは具体的な相続手続きについて解説します。

預貯金の相続手続き(銀行口座の解約・名義変更)

銀行口座は、死亡後すぐに使用できなくなります。

凍結を解くには、次の書類を提出します。

  • 金融機関指定の相続手続き用紙
  • 故人の戸籍と除籍の証明書
  • 相続当事者全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書や遺言の内容を示す書類
  • 印鑑証明書

取扱金融機関によって提出書類や進め方が違うので、確認してから動くと安心です。

不動産の所有権変更(相続による登記)

掛川市で、相続によって不動産を取得した場合、法務局で不動産の相続登記申請を行う必要があります。

令和6年度より相続による登記が義務となり、相続を知ってから3年以内に申請を出さないと罰則の対象となります。

提出が必要な書類は以下となります。

  • 登記申請書
  • 故人の出生から死亡までの戸籍書類
  • 相続関係者の戸籍
  • 遺産分割協議書(もしくは遺言書)
  • 固定資産評価証明書

自動車・株や証券・生命保険・公共サービスの手続き

そのほかにも登録変更が必要なものは多く存在します。

  • 自動車:陸運局での所有者変更(相続届)
  • 株式:証券会社への名義変更の届け出
  • 生命保険:受取人の指定があるかどうかで対応方法が違う
  • 公共料金:契約者名義の変更もしくは解約

小さな手続きでも放置すると後々問題になることになるおそれもあります。

一覧にして一つひとつ着実に進めましょう。

オンラインでできる手続きも増えている?

最近では、掛川市でも一部の申請がネット上で完了可能になっています。

例えば、マイナポータルを使って相続関連の情報を閲覧できたり、戸籍書類の取得をオンライン申請できる自治体も増えてきました。

ただしまだ紙ベースでの申請が必要な場面も多く、完全にオンラインで完結できるわけではないのが今の実態です。


よくある質問(FAQ)

Q.掛川市での相続手続きは何から始めればいい?

最初に死亡届の届け出が必要です。

続いて、遺言の有無を確認し、相続人を確定するために戸籍を取り寄せましょう。

各種手続きは順番に進めることで混乱を避けられます。

Q.相続を放棄するためのタイムリミットを超えたけど、どうしたらいい?

基本ルールとして3ヶ月の期限を過ぎると相続放棄は認められません

例外的に相続発生を認識した時点が後になっていれば認められることもあるため、家庭裁判所に相談してください。

Q.相続人に連絡が取れないときは?

法定相続人全員が分割協議に出席しないと遺産分割協議は成立しません。

家庭裁判所に対して所在不明者の財産管理人の選任手続きを行うことで対応できるケースもあります。

Q.銀行預金の引き出しはいつから可能?

死去後すぐに、銀行口座は凍結されます。

銀行が定めた相続手続きが終わっていないと基本的には出金できません。

銀行によっては遺産整理口座などを使って一部引き出しができることもあります。

Q.戸籍書類はどの時点までさかのぼって収集する必要がある?

亡くなった方の出生時から死去時までの戸籍書類が必要です。

改製原戸籍や除籍謄本など多様な戸籍を集めることになるため、早めに準備しておきましょう。


まとめ|相続手続きを正しく進めるために

遺産相続の手続きは、単に届け出を出すだけのものではありません。

遺された家族が次の生活を安心してスタートするための、大切な区切りでもあるのです。

前もって流れを理解しておくことの重要性

「最初に何をするべきかわからない」と悩んで手が止まってしまいがちですが、まずは一連の流れとスケジュールを認識することがとても大切です。

不安や混乱の中でも、段階的に申請や届け出を進めていくことで、感情も次第に整っていきます。

「迷ってしまう」「悩む」ときには相談を

ひとりでの手続きに対応が難しいと感じたり、家族同士で話がまとまらないときは、できるだけ早く専門家に相談することで予期せぬ揉め事を防止することができます。

申請に失敗してしまうと、深刻な問題になることもあるため、注意深い対応が必要です。

残された人に面倒を残さないための準備も重要

相続手続きを終えた後は、自分の死後の相続を意識するきっかけにもつながるでしょう。

  • 終活ノートの作成
  • 生前贈与や遺言の作成準備
  • 財産の整理と明文化

事前に備えておくことで、大切な人が手続きをスムーズに行えるようになります。