豊岡市の相続の手続き完全ガイド|まず何をすればいい?期限・流れ・必要書類を徹底解説

相続の手続き完全ガイド|まず何をすればいい?期限・流れ・必要書類を徹底解説


まず何からすればいい?豊岡市で相続税の申告が必要なケースとは?

大切な家族との別れがやってきたとき、感情が準備ができないまま現実の手続きに直面することになります。

相続手続きは悲しみが癒える暇もなく始まることになることから、感情が追い付かず戸惑う方もいるでしょう。

亡くなった直後にすべき手続き(1週間以内)

豊岡市での相続手続きに取りかかる前に、最初に行うべきことが複数あります。

最初の手続きのメインとなるのが死亡届提出です。

死亡届という書類は亡くなったという事実を知った日から7日以内に市区町村役場へ提出する義務があります。

加えて、火葬許可証や埋葬の許可証の手続きも行う必要があります。

このタイミングでは「相続」に関することよりも葬儀や埋葬に関する行政手続きが先行すると理解しておくとよいでしょう。

最初の対応として重要な主な手続き

相続人としての責任として、豊岡市にて早めに確認しておきたいのは次のような確認や準備です。

  • 預金通帳や保険契約書などの大切な書類の所在確認
  • 保有財産の有無と財産全体の把握(不動産・金融資産・負債など)
  • 遺言書の有無の確認(公正証書形式の遺言や自筆形式の遺言)

なかでも遺言書の有無は、その後の手続きに強く影響します。

家庭内の金庫や銀行の貸金庫、公証役場に保管されている可能性もあるので、しっかりと確認することが重要です。

相続人がやるべきことと注意すべきこと

豊岡市においても相続の場面では、法律上の義務が相続人に発生します。

だからこそ、自分が相続人なのかどうか、そのほかに誰が相続対象者になるのかについて、早い段階で調べておくことが求められます。

遺産相続には財産をもらうだけでなく、マイナスの財産も受け継ぐ可能性があることも知っておいてください。

債務や保証債務を知らずに承継してしまうと、深刻な問題を招く危険性も存在するため、資産と負債の全体を早めに整理しておくことが欠かせません。

豊岡市での相続税の申告手続きが必要な場合とは?

豊岡市でも、すべての遺産相続に相続税が必ずしも課税されるわけではありません。

課税対象となるかどうかは、相続した資産の総額が基礎控除額を超えるかどうかで判断されます。

最初に、自分たちの場合が申告対象に含まれるのかを判断しましょう。

相続税の基礎控除の仕組み|相続税の対象になるかの見極め

相続税の基礎控除額は下記の算出方法で求めます。

3,000万円+600万円×相続する人の数

たとえば、相続対象者が妻(夫)と子が2人いる場合、基礎控除の金額は4,800万円(3,000万円+600万円×3)です。

この控除額を上回る資産額がある場合に限り、相続税申告と税金の納付が必要になります。

不動産や未上場の株式を持っていると、思った以上に相続評価が高くなることもあるため注意が必要です。

相続に関する申告が必要な人の必要な手続き

相続税の申告義務がある場合は、被相続人の亡くなったことを知った日から10ヶ月以内までに申告と納税を済ませる必要があります。

税務申告は故人の住民登録地を管轄する税務署にて対応し、求められる書類は以下になります。

  • 相続税の申告書(第一表〜第九表)
  • 財産の評価に関する明細書
  • 相続関係説明図
  • 住民票や除籍謄本等
  • 不動産の登録証明と評価書
  • 預貯金の残高証明書

必要書類の量はかなり多く、特別な知識も不可欠になるため、豊岡市においても税理士へ依頼する方が多いです。

相続税申告は、適切に控除制度を使えば納める金額を大幅に減らせるケースもあります。

誤って過剰に納付してしまう、逆に過少申告になるといったトラブルを未然に防止するためにも、税理士の力を活用しましょう。

相続に強い税理士の選び方については、相続税に強い税理士を探している方へ|後悔しない依頼先と選び方のポイントを参照してください。


豊岡市の相続の手続きの全体のフローと期限

相続関連手続きは短期間で終わるものではありません。

豊岡市においても数か月〜1年超かかることも珍しくないので、はじめに手続き全体の流れと期限を事前に把握することこそが、のちの混乱を防ぐポイントです。

主要な相続の手続きのスケジュール

下記は、典型的な相続に関するスケジュールです。

時期主な手続き内容
死亡して7日以内死亡届提出、火葬の許可を申請
〜3ヶ月以内相続人の確定、遺言書確認、財産や借金の調査、相続放棄や限定承認の手続き
〜4ヶ月以内被相続人の準確定申告(生前所得分)
〜10ヶ月以内相続税申告と納付(相続税がかかる場合)
期限なし遺産の分配協議、不動産・預金などの名義変更手続き

このように、各手続きに異なる締切が設けられているゆえに、前もってスケジュール帳などでスケジュール管理することが推奨されます。

それぞれの手続きの法的な期限一覧(死亡届、相続の放棄や準確定申告や相続税関係)

相続時の手続きでの主な期限は以下のとおりです。

  • 死亡届提出:7日以内
  • 相続放棄・限定承認:3か月以内
  • 準確定申告:4ヶ月以内
  • 10か月以内

期限内にできなかった場合、相続放棄ができなかったり、延滞金や追徴課税が発生する恐れがあります。

締切を過ぎたらどうなるのでしょうか?延滞税や無申告のリスク

相続の放棄や相続税を申告する期限を過ぎた場合、豊岡市でもとくに相続放棄の手続き期限を超過すると、負債を含む一切の財産を引き継いだとみなされるので、慎重に対応が必要です。

相続税申告についても、期限を10ヶ月超過すると延滞税や無申告加算税が課税されるケースがあります。

このような不利益を被らないようにするためにも、迅速な対応と判断が欠かせません。


相続人の確定と戸籍収集の方法

相続手続きを進めるうえで避けて通れないのが、誰が相続人かの確定といえます。

「当然相続人だろう」と思い込んでいても、法的な扱いが違うことがあります。

さらに、豊岡市でも、戸籍の収集にはすぐに終わらないこともあり、早期に動くことが大切です。

相続人は誰?誰が法的相続人かを確認する方法

法定相続人は、民法に基づき規定されています。

基本的には以下の順番となります。

  1. 配偶者(必ず相続人)
  2. 子ども(子がいない場合は直系尊属:親・祖父母)
  3. 兄弟姉妹(他に該当者がいないとき)

たとえば、配偶者と子がいるときは、どちらも相続人となります。

一方、夫婦間に子がいない場合は、配偶者と被相続人の親(あるいは兄弟姉妹)が相続人となる可能性があります。

血縁関係の把握だけでは十分ではなく、公的な戸籍情報で法律上の相続人を特定することが求められます。

相続に必要な戸籍の種類と取り寄せ方法

相続権の確認のために必要な戸籍は、以下の通りです。

  • 故人の出生から死亡までのすべての戸籍(改製原戸籍も含む)
  • 相続する人全員の現時点の戸籍謄本

故人が改籍や婚姻があると、複数の自治体に請求が必要なこともあり、予想を超えて負担が大きくなります。

戸籍を取り寄せるには、窓口での手続き・郵送・一部自治体ではインターネット申請も対応していますが、郵送で申請した場合は1〜2週間程度かかる場合もあります。

早いうちに行動しましょう。

戸籍請求においてトラブルになりやすい注意点と対策

豊岡市においても、よく見られるのが以下のようなつまずきです。

  • 戸籍の筆頭者が変わっていて、たどれなくなる
  • 昔の戸籍が崩し字で読みづらい
  • 改製原戸籍が他の自治体にある
  • 被相続人が養子縁組していた

こうしたケースでは、専門家である行政書士や司法書士に依頼することも検討してみましょう。

費用負担はあるものの、短期間で正確に揃えることができ、手続き全体が滞りなく進行します。


遺産の全体像を調べる|財産と債務の調査

相続手続きを進めるには、すべての相続財産をすみずみまで確認することがとても重要です。

対象となる財産にはプラスの財産とマイナスの財産の両方があるため、どちらも漏れなく確認が必要です。

プラスの財産:金融資産・不動産・有価証券など

主なプラス財産は下記の通りです。

  • 銀行預金(銀行や郵便局の口座)
  • 所有不動産(土地や家屋など)
  • 株式・投資信託などの金融資産
  • 車・宝石・美術品
  • 生命保険金(受取人が被相続人の場合)

特に銀行口座や不動産は、今後の名義変更に関係してくるため早いうちに調べておきましょう。

不動産については、登記簿謄本を法務局で入手すれば名義や評価額が確認できます。

相続した不動産の扱いについては、相続した不動産を売却したときの税金ガイド|譲渡所得税・3000万円控除・期限と注意点を徹底解説も参考にしてください。

マイナスの財産:借金・未払金・保証債務など

借金や保証債務は、相続が発生すると自動的に承継されます。

次のようなものが対象になります。

  • 消費者ローンや銀行からの借金
  • クレカの未決済金
  • 税金・電気水道代などの未払い分
  • 気づかないまま連帯保証していた借金

マイナス財産の存在に気づかず相続してしまうと、重い債務を抱えることになるため、十分注意が必要です。

財産目録の作成方法と注意事項

相続財産を把握できたら、財産目録を作成しておきましょう。

相続税を申告する際や、遺産分けの話し合いの資料にもなります。

目録には次の情報を記録します。

  • 資産の種類(預貯金・不動産など)
  • 物件の住所や口座番号、証券コードなどの詳細
  • 評価金額(おおよその金額でOK)

自分で作っても法的に有効ですが、記載ミスを避けるためにも公正証書遺言などがある場合は整合性を確認しながらまとめると良いでしょう。


豊岡市での相続放棄・限定承認の判断と手続き

相続人は、相続財産を継承するかどうかを選択できます。

とくにマイナスの財産があるおそれがあるときは、相続を放棄することや限定承認という方法も知っておくべきです。

相続放棄・限定承認とはどんな制度か?違いや判断基準

  • 相続放棄:すべての相続権と義務を放棄し、最初から相続人でなかったことになる
  • 限定承認:プラスの財産の範囲で、負債も返済する(不足分は支払わなくてよい)

負債がプラスの資産より大きいおそれがあるときは、相続放棄または限定承認を検討します。

限定承認はすべての相続人の合意が必要で、豊岡市でも、実務上はあまり利用されていません。

家庭裁判所における申述手続の流れ

相続放棄や限定承認は、家庭裁判所に向けた申述の手続きが必要となります。

必要な書類の例

  • 相続放棄申述書
  • 故人の住民票の除票や死亡が記された戸籍
  • 相続する人の戸籍謄本
  • 収入印紙や郵便切手

書類の準備に時間がかかるため、3ヶ月以内の期限内を見据えて早期に行動することが重要です。

放棄が可能な期間と、放棄できないケース

相続放棄できる期間は「相続が始まったと知った日から3ヶ月」と定められています。

しかし以下のような行動をとると単純に相続したとされ、放棄が不可能になるおそれがあります。

  • 故人の金融資産を引き出して消費した
  • 相続財産の一部を手放した
  • 相続税の申告を完了させてしまった

豊岡市でも、相続放棄を視野に入れるなら、不用意に相続財産に触れないことが大原則です。


名義変更と各種相続手続きの具体例

相続内容が決まったあとは、相続財産の名義を新たな相続人へ変更する手続きが必要となります。

ここでは具体的な手続き内容についてご紹介します。

銀行預金の相続手続き(銀行口座の解約・名義変更)

金融機関の口座は、死去後すぐに利用停止になります。

再び使えるようにするには、以下の書類を出すことになります。

  • 金融機関が定める相続届出書
  • 被相続人の戸籍関係書類
  • 相続当事者全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書や故人の遺志を示す文書
  • 印鑑証明書

金融機関ごとに必要書類や対応が違うため、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。

不動産の所有権変更(相続登記手続き)

豊岡市で、土地や建物を相続した場合、管轄の法務局で相続登記の申請が必要です。

令和6年度より相続による登記が義務となり、三年以内に申請しないと過料の対象になります。

登記のために必要な書類は以下の通りです。

  • 相続登記申請書
  • 故人の出生〜死亡までの戸籍
  • 相続関係者の戸籍
  • 遺産分割協議書(または正式な遺言書)
  • 固定資産評価証明書

自動車・証券・保険・公共サービスの手続き

そのほかにも名義の切り替えが必要なものは多数あります。

  • 自動車:運輸支局での名義の切り替え(相続手続き)
  • 証券:証券会社への相続届提出
  • 保険:誰が受け取るかの指定があるかで手続き内容が異なる
  • 公共料金:契約者名義の変更または終了手続き

小さな手続きでもそのままにしておくと後でトラブルの原因になる場合もあります。

整理して一件ずつ手続きを進めましょう。

インターネットで行える手続きが拡大中?

近年では、豊岡市でも一部の手続きがネット上で完了可能になっています。

例えば、マイナポータルを利用して相続関連の情報を閲覧できたり、戸籍の取得をインターネット申請できる市区町村も増えています。

ただし現在も紙ベースでの申請が必要なケースも多く、すべてをネットだけで完了するわけではないのが今の実態です。


専門家に依頼すべきかの判断のポイント

遺産相続の手続きは人生で何度も経験するものではありません。

「相談先がわからない…」「自力でできるの?」と戸惑う人は豊岡市でも少なくありません。

ここでは、代表的な相談先と、それぞれの役割を解説します。

税理士・司法書士・行政書士の業務内容の違い

専門家主な役割
税理士相続税の手続き・節税対策、亡くなった人の確定申告など
司法書士不動産の相続登記、法務局への申請業務
行政書士遺産分割協議書や戸籍の収集、手続き書類の作成

例えば、相続税の対応をするなら税理士、不動産の登記を進めるなら司法書士、というように、専門家によって対応できる領域が異なります

自分でできる手続き/プロに任せるべき手続き

以下の基準に基づいて検討するとよいでしょう。

  • 戸籍書類の収集:時間はかかるが個人でもできる
  • 法定相続人の確定:自分でも進められるが慎重さが必要
  • 不動産の相続登記:自力も可能だが専門性が高い
  • 相続税の申告:税理士への相談が安心

特に期日が決まっている手続きや、トラブルになる可能性がある局面では税理士などへの相談を前向きに検討しておきましょう。

トラブル予防としての専門家への依頼

「親族内で手続きを済ませた方がよい」と考えても、誰がどれを受け取るかで争いになることは豊岡市でもとても多いのが実情です。

専門家を間に入れることで、感情的な衝突を防ぐことができます。

誰に依頼すればいいか決めかねている方は、次のページもご覧ください。


よくある質問(FAQ)

Q.豊岡市での相続手続きはまず何をすればいい?

初めに死亡届の提出が求められます。

次に、遺言書の存在をチェックし、誰が相続人かを確定するために戸籍を取り寄せましょう。

各種手続きはステップを追って進めるとスムーズに進みます。

Q.相続を放棄するための期間を過ぎてしまったが、今からでも間に合う?

原則として3ヶ月の期限を経過すると相続放棄はできません

例外的に相続の開始を知った時点が後になっていれば放棄が受理される可能性があるため、管轄の家庭裁判所に相談を。

Q.相続関係者に連絡がつかない場合は?

全員の相続人が分割協議に出席しないと遺産分割協議は成立しません。

家庭裁判所を通じて不在者の財産を管理する人の選任を申し立てることで解決できる場合もあります。

Q.銀行預金の引き出しはいつから可能?

被相続人の死亡後、口座は利用停止になります。

所定の相続手続きが終わっていないと原則として引き出せません。

一部銀行では遺産整理口座などを使って一部資金の引き出しが可能なこともあります。

Q.戸籍謄本はどの時点までさかのぼって用意すべきか?

亡くなった方の誕生から死亡までの戸籍一式が必要です。

改製原戸籍や除籍謄本など複数の戸籍が必要になるため、時間に余裕をもって準備しましょう。


まとめ|相続手続きを正しく進めるために

相続関連の手続きは、ただ書類を用意するだけの作業ではありません。

これから生活する家族が今後の人生を安心してスタートするための、重要な節目でもあるのです。

あらかじめ手続き全体を見渡すことの意義

「手続きの始め方が分からない」と手続きが進まなくなりがちですが、最初にやるべきは全体の流れと締切や時期を理解することが最初の一歩です。

気持ちが落ち着かなくても、一つずつやるべきことを処理していくことで、心も少しずつ整っていきます。

「迷ってしまう」「決められない」場面では相談を

自分だけでの対応に行き詰まりを感じたり、家族間で話がまとまらないときは、早めに専門家の意見を聞くことで予期せぬ揉め事を防止することができます。

手続きを間違ってしまうと、修正がきかない事態に発展することもあるため、注意深い対応が必要です。

残された人に面倒を残さないための備えも大切

相続が完了したタイミングは、自分自身の将来の相続を準備を始めるチャンスにもなるでしょう。

  • 終活ノートの作成
  • 生前贈与や遺言書の作成
  • 所有財産の整理と文書化

事前に準備しておくことで、遺された人が相続対応を円滑に進められるようになるでしょう。