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松山市の介護施設・老人ホーム｜種類と費用と入居条件で探せる徹底ガイド
介護施設・老人ホームとは？
歳をとると、家での暮らしに不安を感じる場面が増えていきます。
日常生活の動作が困難になったり、判断力や記憶力に不安を感じたりする中で、「どんな場所で誰とどのように暮らすか」を考えることは重要なテーマです。
そこで松山市でも視野に入るのが介護施設ならびに老人ホームです。
ただし、「老人ホーム＝介護施設」のように一括りにできるほど簡単ではありません。
介護施設にはいろいろな種類が存在し、それぞれ目的・機能や入居資格、受けることができる支援、料金や費用などが松山市でもばらつきがあります。
老人ホームと介護施設の相違点
「老人ホーム」という名称は多く使われていますが、制度的には正式な名称ではありません。
年配者向けの住まい全般を表す通称という用途で使われ、国や自治体の施設や企業が運営する施設や自立生活可能な住居施設など、幅広い種類が含まれています。
一方「介護施設」とは、介護保険制度をもとに、要介護・要支援の対象となるシニアに対して介護サービスを提供する施設を指すというのが松山市でも一般的です。
「老人ホーム」は生活の場を指す幅広い意味を持つ言葉であり、「介護施設」は介護支援の実施が主な役割である施設である、とすると理解しやすいです。
高齢者施設のタイプ（公的施設／民間の施設）
高齢者向け施設は、次のように分類されます。
| タイプ | 代表的な施設 | 特徴 |
|---|---|---|
| 公共の施設 | 特別養護老人ホーム（特養）、介護老人保健施設（老健）、介護医療院、養護老人ホームなどを指す | 市区町村や福祉法人が運営している。コストが抑えられており、入居には条件がある |
| 民間の施設 | 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）などがある | 民間企業が運営している施設。サービス内容が多様で、価格帯も施設によって違いが出る |
このように、松山市でも、施設選び次第で、日常生活の質や料金面が大きく異なることから、しっかりと情報を集めて、慎重に見比べて選びましょう。
松山市の介護施設・老人ホームの種類と特徴
介護施設・老人ホームは、松山市でも形態の違いによって「目的」「サービス提供内容」「入居資格」「料金」が大きく異なります。
したがって、本人および家族の必要に応じた施設を探すことが、不安のない暮らしを実現する第一段階になります。
ここでは、代表的な施設の特徴を一つ一つ紹介します。
1.特別養護老人ホーム（特養）
特別養護老人ホームは、生活全般にわたる手助けが必要な高齢者のための公的な介護施設です。
比較的安く利用できるため、松山市でも非常に人気がある施設です。
入居条件
- 基本的には要介護3以上特段の事情（家庭内での介護が難しい場合）があると判断されれば要介護1や2の方も認められるケースもあります。
- 医療的ケアを頻繁に要する方は受け入れ不可のこともある。
費用の目安
月額：約8万〜15万円程度（介護度や収入に応じて変動。
食費や住居費に補助制度あり）
施設の特徴
- 手厚い介護を要する方でも終の住処として暮らせる
- 医療面の体制は施設ごとに異なる
- 松山市でもニーズが集中するため、待機人数が多いこともある
2.介護老人保健施設（老健）
介護老人保健施設（老健）は、自立した生活への復帰を目的としたリハビリ中心の施設です。
病院と自宅の中間のような役割を持ち、一定期間入所して日常生活に向けたリハビリを実施します。
入居条件
- 要介護度が1〜5の認定を得ていること
- 在宅復帰に向けて生活訓練を受けられる状態であること
費用の目安
月額：約7万〜14万円
施設の特徴
- PTやOTによるリハビリテーションが受けられる
- 長期入所には向かず、原則として家庭復帰が前提
- 医療スタッフが常におり、健康管理も安心できる
3.介護医療院
介護医療院は、一定期間以上医療的支援と介護が必要な方が入居する施設です。
これまでの介護療養型医療施設が再編されてできた松山市でも比較的新しい制度の施設になります。
入居条件
- 医療処置が日常的に必要な方
- 要介護1〜5
費用の目安
月額：約10万〜20万円
特徴
- 医師・看護師が手厚く配置され、常時医療を必要とする人でも安心
- 最晩年の生活の場として利用するケースが松山市でも多い
4.有料老人ホーム
民間企業が運営する施設で、設備や支援内容、価格帯が幅広く設定されているのが主な特徴です。
有料老人ホームは以下の3タイプがあります。
介護付き有料老人ホーム
- 常駐職員が24時間体制で介護サービスを提供
- 医療機関との連携が取れている施設が多い
- 月額費用：15万〜30万円以上
住宅型有料老人ホーム
- 生活補助が中心で、介護は外部からの提供
- 自立〜軽度介護の方向け
- 費用：10万〜25万円前後
健康型有料老人ホーム
- 自立している高齢者向け
- 食事の提供と安否確認が中心で介護サービスは行わない
- 費用：15万〜30万円以上
民間運営のため、施設環境や提供サービスにより支払い額が大きく異なる点が特長です。
5.サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢の方が暮らしの場として継続して住める賃貸型住宅となります。
バリアフリー構造で、生活支援や日常支援サービスが提供されています。
入所条件
おおむね60歳以上（あるいは要支援・要介護の認定を受けた方）
費用の目安
月額：10万〜20万円
施設の特徴
- 自由度が高く、外部の訪問介護を利用して暮らしを自分で構築できる
- 松山市でも比較的元気な人や軽度要介護の人が多く暮らしている
6.グループホーム（認知症対応型共同生活介護）
グループホームは、認知症の高齢者が小規模な単位で共同生活する施設です。
暮らしやすい空間で、継続した生活を送りたい方に適した施設です。
利用条件
- 認知症であると医師に診断されていること
- 通常は施設のある市区町村に住民登録があること
費用の目安
月額：12万〜18万円
施設の特徴
- 家庭的な空間で安心して生活できる
- 入居人数が少ないことから、個別対応がしやすい
7.ケアハウス・養護老人ホーム
経済的に困っているシニアや、身の回りのことはできるが心配のある方のための住まいです。
利用条件
- 所得の制限があることが一般的
- 市区町村の判断により利用可否が決まる
費用の目安
月額：5万〜15万円程度（公的補助あり）
特徴
- 比較的安い価格で穏やかに生活できる
- 生活援助が中心で、より強い介護が必要な場合は追加のケアサービスが必要
松山市の施設ごとの入所の条件の違い
松山市で介護施設や老人ホームに入るには、どこでも自由に入居できるわけではなく、それぞれの施設に条件があらかじめ設定されています。
適した施設を選ぶ際に最優先で確認すべきなのが、この利用条件です。
ここでは施設選びのポイントとなる「要介護レベル」「年齢や体の状態」「経済状況」に分類して説明します。
要介護度による制限
中心的かつ判断の核になるのが要介護度となります。
要介護というのは、どれだけの介護が必要かを示す国の認定制度で、要支援1〜2、要介護レベル1〜5の全7段階で構成されます。
| 施設の種類 | 必要な要介護度 | 注意点 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム（特養） | 要介護レベル3以上 | 特例で要介護1・2も入所可（条件あり） |
| 介護老人保健施設（老健） | 要介護レベル1〜5 | 短期間のリハビリ対応 |
| 介護医療院 | 要介護レベル1〜5 | 重度の医療対応が必要な方向け |
| グループホーム | 要支援2・要介護レベル1以上 | 認知症の方が対象 |
| サ高住・有料老人ホーム（住宅型） | 幅広い要介護度に対応 | 別途介護サービス契約が必要 |
要介護度によっては、希望する施設に入れない場合もありますので、あらかじめ確認が必要です。
年齢・健康・認知症の状況
健康状態や体の状態、疾患の有無なども入居の可否に関わります。
- 認知症の高齢者の場合はグループホームや認知症専用スペースを備えた施設が適しています。
- がん・心臓病、糖尿病などの持病のある場合は、医療対応力の高い施設（介護医療院や医療体制のある民間施設）を選ぶ必要があります。
- 一部の施設では利用条件として「60歳以上」「65歳以上」などといった年齢基準があることがあります。
また、ターミナルケア対応（人生の終末期をその施設で迎えられるか）についても、先に確認することで安心につながります。
収入・資産の条件
松山市でも、一部施設では、収入や財産の状況に応じた入居判断や支払いの減額制度が利用できます。
公的高齢者施設の事例（特養など）
- 収入が一定基準以下である場合、食費・居住費の軽減措置が受けられる
- 養護老人ホームは、低所得世帯や経済的に困難な方を対象とした施設で、資産・所得に上限が定められている
- 手続きは自治体を通じて行い、審査を経て入居が決定される
民間施設の例（有料老人ホーム・サ高住など）
- 契約時に数百万円〜数千万円を請求されることがある
- 連帯保証人や身元保証人が必要な場合が多い
- 元気な方が要介護状態に変わると費用が追加でかかることも
金銭面の負担が重くなる施設もあるため、事前に資金計画を立てることが極めて重要です。
このように、施設を決めるときは入りたいところよりも入れるところが先に決まるという点を理解しておく必要があります。
本人や家族の状況をしっかり把握し、どのタイプの施設の条件に合致するのかを確認することが、最適な施設選びに結びつきます。
松山市の介護施設・老人ホームの費用の目安
介護施設や老人ホームに入居する場合、最も心配なのがどの程度のお金が必要かということです。
松山市においても、介護施設のタイプや運営する団体、提供されるサービスによって金額は大幅に異なり、入居の際に必要な一時金と月々の利用料に分けて理解しておく必要があります。
以下では、公的施設および民営の施設のそれぞれの費用の目安と支出を軽減する仕組みについて説明します。
月々の費用の目安
月ごとの費用には、家賃および食事の費用、共益費、介護利用料といったものが含まれます。
| 施設の種類 | 月々の費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム（特養） | 8〜15万円 | 収入により割引制度あり |
| 介護老人保健施設（老健） | 7〜14万円 | 3〜6ヶ月の利用が一般的 |
| 介護医療院 | 10〜20万円 | 医療ケアを含む |
| グループホーム | 12〜18万円 | 小規模な居住スペース |
| 有料老人ホーム（民間） | 15〜35万円以上 | 設備・サービスにより大きく異なる |
| サ高住（サービス付き高齢者向け住宅） | 10〜20万円 | 介護費用は別途 |
公営施設はコストが抑えられますが、入居枠が限られており、待機が必要になることが多い傾向です。
その一方で、民間運営の施設はコストが高くても即対応可能なケースが多く、選択肢も豊富です。
入居一時金・初期費用の違い
民間の有料介護施設では、入居時一時金といったまとまった初期費用が請求される場合があります。
入居時の一時金とは？
- 長期間住むことを前提に、事前に支払う施設利用費の先払い金
- 数十万円〜数千万円と幅広く、非課税とされます
償却と返還の仕組み
- 償却期間中に退居した場合未償却分は返金される
- 例を挙げると償却期間が5年の場合に1年以内で退去したら、約8割が返ってくる場合もある
近年では一時金なしプランを提供する施設が松山市でも増えており、月額利用料が少し高めになる代わりに初期費用を抑えられます。
介護保険適用と費用負担
介護施設で提供される介護サービスの多くは、介護保険が適用され、サービスを受ける人は1〜3割の自己負担します。
松山市でも、施設利用料と食事費用や生活に必要な出費についてはすべて自費になる点に注意が必要です。
自己負担率
- 基本ルールは1割負担（年収によって2割〜3割）
- 高額介護サービス費制度を使えば、定められた額を超える自己負担分が戻ってくる
公的な補助と軽減措置
- 住民税がかからない世帯向けに食事代や家賃を減額する制度あり
- 介護が必要な度合いが高く、支出が多い世帯に対して地方自治体の助成金も利用できます。
「思ったよりも安い」と感じる方もいれば、「こんなにかかるの？」と驚かれる方も少なくないのが実情です。
そのためにも、入所する前に丁寧に合計の支出を確認して、家計状況と合うか見極めることが大切です。
松山市でよくある質問（FAQ）
Q. すぐに入居できる介護施設は？
A.民間経営の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅であれば、空き部屋があればすぐ入居できる場合が松山市でも多いです。
一方で、公的施設（特別養護老人ホームなど）は待機の時間が数か月から1年超かかる場合も多く見られます。
Q. 介護認定が軽度でも入れますか？
A.はい。条件によって可能です。
サ高住や住宅型有料老人ホーム、健康型老人ホームなどといったところなら、要介護認定を受けていなくても、要支援レベルの方でも利用できます。
ただし、介護度が進んだ際に十分な対応ができないこともあるため、先を見越した判断が必要です。
Q. 夫婦で同じ施設に入ることはできますか？
A.一部の施設では夫婦対応の居室があるところもあります。
個室を隣同士で調整してくれることもあるため、事前の見学時に相談しておくことをおすすめします。
Q. 合わなかった場合に退去できますか？
A.退去できます。
事前に交わした契約に沿って退居が認められています
民間の有料施設では一時金を支払った場合、決められた期間以内なら返金されるケースもあります
Q. どんな施設が認知症の親に合っていますか？
A.グループホームや、認知症専用フロアのある有料老人ホームが向いています。
少人数制の共同生活で落ち着いた環境で、認知症支援を行うスタッフが常時勤務している施設もあります。
松山市の施設選びで失敗しないために
介護施設や老人ホームに入居することは、人生の中でも大きな決断のひとつになります。
「思ったよりお金がかかった」「想定と違うサービス内容だった」「自分に合わなかった」などといった失敗したという声は松山市でも少なくありません。
以下では、後悔しない施設選びのために見るべき視点と事前にすべき準備を詳しく解説していきます。
自分に適した施設を見つける視点
施設選びでは本人の健康状態や希望に合わせた施設選びが重要なカギとなります。
以下の項目を参考に、自分（または家族）に合った介護施設を考えていきましょう。
介護度・医療依存度
- 要介護度が低く見守り程度で済む方であればサービス付き高齢者向け住宅および住宅型有料老人ホームなどが選択肢に
- 高い介護ニーズがある方や医療的な支援が求められる方なら特別養護老人ホームおよび介護医療院、介護付き有料老人ホームなどを検討
ライフスタイルと希望
- 自分のペースで過ごしたい、今までの趣味を続けたいなら自立支援型施設あるいはサービス付き高齢者向け住宅がふさわしい選択になることも
- 家族との距離を近くしたい、落ち着いた生活を望むなど、場所・雰囲気・人間関係も重要な要素に
家族との距離感や支援の方法
- 家族の方が気軽に通える立地かどうかも重要
- 急なトラブルへの対応や問い合わせがすぐできるかも重要な判断材料
見学や体験入居の活用
介護施設を選ぶときに納得のいく選択をするために、入居前の見学や体験ステイは非常に有効です。
見ておくべきチェック項目
- 施設職員の振る舞いや雰囲気はどうか
- 掃除や整理整頓が清潔に保たれているか
- 居住者の表情や暮らしの雰囲気
- 食事メニューと味と提供時間
- 居住スペースの広さとバリアフリーの状況
- 医療機関との連携体制が整っているか
可能であれば、朝と夕方など異なる時間帯での見学や、一晩泊まってみる体験ができる施設を選ぶと、より具体的な生活イメージが持てます。
民間 vs 公的施設の選び方
施設の運営主体によって、サービスの種類や料金体系、入居難易度が大きく異なります。
ここでは、民間系の施設と公的施設の主な違いをまとめます。
| 比較項目 | 民間施設（有料老人ホームなど） | 公的施設（特養・老健など） |
|---|---|---|
| 費用 | 高め（月額15〜35万円超） | 安め（月額8〜15万円） |
| 入居のしやすさ | 空き次第ですぐ入れる | 希望者が多く、入居待ちになることも |
| サービスの自由度 | 独自プランが豊富（アクティビティや食事など） | 行政基準に沿った標準的なサービス |
| 医療・看取り対応 | 施設によって異なる | 看取り体制を整えている施設もある |
一概にどちらが良いとは言えず、生活する本人と家族にとって何を優先したいかに基づいて判断が変わってきます。
見た目や費用だけではなく、生活者の目線で決めることこそが、松山市での満足できる施設選びの決め手となるポイントです。
