債務整理と任意整理の違いは？メリットとデメリットと向いている人とは

債務整理は借金を減額したり免除したりするための総称です。

その中に任意整理、個人再生、自己破産といった具体的な手続きが含まれています。

つまり、任意整理は債務整理の中の一つであり、特に債権者との交渉に重点を置いた方法です。

債務整理にもいくつか方法はありますが、その中の一つが任意整理です。

任意整理は、裁判所を介さずに債権者と直接交渉して、返済計画を見直す手続きです。

具体的には、弁護士や司法書士が債権者と話し合いを行い、利息や遅延損害金を免除してもらうことで、借金の返済額を軽減します。

ただし、元本自体は基本的に減額されません。

任意整理の特徴は、債権者と個別に交渉できる点にあります。

たとえば、保証人がついている借金や、住宅ローンは任意整理の対象から外し、それ以外の借金だけを整理することも可能です。

この柔軟性が、任意整理の大きな利点です。

また、任意整理では返済計画を無理のない範囲で設定できるため、生活を立て直しながら返済を進めることができます。

任意整理は裁判所を介さずに進める点が大きな違いです。

裁判所を通じた手続きは法的拘束力が強いため、債権者が応じない場合でも手続きを強制できます。

任意整理では裁判所を介さないため、債権者が交渉に応じない場合には成立しないこともあります。

任意整理では対象とする借金を選ぶことが可能です。

たとえば、住宅ローンはそのまま返済を続け、クレジットカードの借金や消費者金融からの借入れだけを整理することができます。

この柔軟性は、任意整理の大きな利点といえます。

その他の債務整理の方法である自己破産では、全ての借金が対象となります。

個人再生でも、特定の条件下で借金を選択的に対象外とすることは難しいです。

債務整理の中でも、個人再生や自己破産は借金そのものを大幅に減額または全額免除する効果があります。

個人再生では借金が最大で5分の1程度に減額されることがあり、自己破産では借金が全て免除されます。

これに対し、任意整理では借金の元本は基本的に減額されず、利息や遅延損害金の免除が主な効果です。

そのため、借金の総額が非常に多い場合や返済が全く見通しが立たない場合には、任意整理は適さないことがあります。

債務整理の中でも、個人再生や自己破産は裁判所を通じて手続きが進みます。

そのため、一定の時間と手続きの複雑さが伴います。

一方、任意整理は裁判所を介さないため、比較的迅速かつ簡単に進めることができます。

裁判所を介した手続きでは書類の提出や裁判官の判断が求められるため、数ヶ月から1年程度の期間を要することが一般的です。

しかし、任意整理では債権者との交渉が成立すればすぐに返済計画に移行できるため、時間を短縮できる場合があります。

自己破産では財産が差し押さえられる場合があり、個人再生でも一定額以上の財産を保有している場合には返済に充てる必要があります。

しかし、任意整理では財産を処分する必要がないため、生活への影響を最小限に抑えることができます。

また、自己破産では一部の職業で資格制限がかかる場合がありますが、任意整理ではそのような制限はありません。

そのため、特定の職業に就いている人にとっては任意整理が選択肢として有力です。