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【コリンとは?】葉酸だけじゃない!妊娠・出産期に重要な栄養素「コリン」と摂り方ガイド

妊娠・出産期に注目される「コリン」とは?

「コリン」はどんな栄養素?
「コリン」という言葉を初めて聞いた方も多いかもしれません。
コリンはビタミン様物質の一つで、水溶性の栄養素です。
脂肪の代謝を助けたり、細胞膜の構成成分になったりと、体のさまざまなはたらきに関わっています。
特に注目されているのが、脳や神経の発達に深く関与する点です。
アセチルコリンという神経伝達物質の材料にもなっており、神経系の健康維持において重要な栄養素とされています。
ただし、日本ではビタミン類のように摂取基準が明確に設定されていないため、見過ごされがちな存在となっているのが現状です。
コリンは体内でも合成される?
コリンは、私たちの肝臓でもある程度は合成されます。
しかし、必要量をまかなうほどの合成はできないと考えられています。
とくに妊娠期や授乳期は需要が高まり、食事からの摂取が欠かせない状態になります。
アメリカの医学研究所(IOM)では、妊娠中の女性に対して1日450mg、授乳中の女性には550mgのコリン摂取を推奨しています(※参考:[IOM Choline Recommendations](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK114302/))。
葉酸と同じく妊婦に大切な理由とは
妊娠期に重要な栄養素といえば、まず思い浮かぶのが「葉酸」でしょう。
胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げる栄養素として、厚生労働省からも摂取が推奨されています。
しかし、近年ではコリンも同様に、胎児の脳や神経の健やかな発達を支える栄養素として注目されています。
葉酸とコリンは代謝の面でも深く関わっており、葉酸だけではカバーしきれない機能を、コリンが補う可能性も指摘されています。
つまり、葉酸とコリンは「二本柱」で考えるべき栄養素といえます。
妊娠中に必要とされるコリン

胎児の脳や神経の発達を支える役割
妊娠期において、コリンが最も注目されているのが、胎児の脳や神経の形成に関与する可能性です。
とくに妊娠初期から中期にかけては、胎児の神経系の発達が著しい時期であり、コリンは神経細胞の構造や機能に関与する重要な成分となります。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、コリン摂取が十分な妊婦から生まれた子どもは、記憶力や学習能力が高まる可能性があるといった研究結果も報告されています(※ただし、すべての人に当てはまるわけではなく、個人差があります)。
妊娠後期〜授乳期にかけて必要量が増える理由
妊娠初期だけでなく、妊娠後期や出産後の授乳期においてもコリンの重要性は高まります。
その理由の一つが、母体から胎児へのコリンの移行です。
胎盤を通じて赤ちゃんに届けられるため、母体内のコリンが不足していると、胎児への供給も不十分になってしまう恐れがあります。
また、授乳期には母乳を通じて赤ちゃんに栄養が送られるため、母乳の質を保つためにも、コリンは意識的に摂取しておきたい栄養素といえます。
ホモシステイン代謝への関与とその重要性
コリンにはもう一つの重要な役割があります。
それが、ホモシステインというアミノ酸の代謝に関わることです。
ホモシステインが体内に過剰にたまると、血管や神経に影響を与える可能性があるといわれています。
葉酸も同様にこの代謝に関与していますが、葉酸が不足したときに、代わりにコリンがその役割を担うことがあるという点が注目されています。
つまり、葉酸とコリンのどちらかが欠けても、ホモシステイン代謝がうまく回らなくなる可能性があるため、両者をセットで意識したいです。
葉酸との相乗的な役割
前述のとおり、葉酸とコリンはどちらも胎児の発育を支える栄養素であり、互いに補完しあう関係にあります。
たとえば、葉酸を十分に摂取していても、コリンが不足していると代謝機能に負担がかかることがあり、結果として母体や胎児に必要な栄養供給がうまくいかなくなる可能性もあります。
また、近年の研究では、妊娠中のコリン摂取が赤ちゃんの記憶力や注意力に影響を及ぼす可能性があることも報告されています(※すべての妊婦に対して確証された効果ではなく、研究段階の知見です)。
このように、葉酸だけで安心せず、コリンにも目を向けることが、よりよい妊娠期の栄養管理につながるといえるでしょう。
コリンを多く含む食べ物・食品とは?

コリンを含む代表的な食品リスト
コリンはさまざまな食品に含まれていますが、特に含有量が多いのは動物性食品です。
以下に、コリンを多く含む代表的な食品を紹介します。
| 食品名 | コリン含有量(mg/100g) ※目安 |
備考 |
|---|---|---|
| 卵黄 | 約300〜400mg | 最も豊富。1個の卵で200mg前後 |
| 鶏・豚のレバー | 約300mg | ビタミン・鉄分も豊富 |
| 大豆・豆腐・納豆 | 約50〜70mg | 植物性食品の中では優秀 |
| 牛乳・チーズ | 約40〜60mg | 日常的に摂取しやすい |
| 鶏むね肉 | 約70mg | たんぱく質源としても優秀 |
※出典:文部科学省「食品成分データベース」より目安値
食事だけで十分?気をつけるべきこと
上記のように、コリンはさまざまな食品に含まれていますが、日常の食事だけで妊娠期に必要な量(450mg以上)を摂取するのはややハードルが高いとされています。
たとえば卵を毎日2個食べれば約400mgに達しますが、卵の摂取に制限をかけている方や、動物性食品を避けている方にとっては摂取量が不足しやすい状況です。
また、妊娠中はつわりや嗜好の変化で、食事量が減ったり偏ったりすることもあるため、栄養バランスには一層注意が必要です。
加熱や調理で減りやすい?効率的な摂取方法
コリンは比較的熱に安定している栄養素ですが、調理中に水に溶け出す性質があるため、煮込み料理などでは損失が出ることもあります。
そのため、効率的に摂取したい場合は以下のような工夫が有効です。
- 茹で汁ごと食べられるスープなどで調理する
- 炒める・焼くなど水を使わない調理法を活用する
- 卵や豆類など、毎日食べやすい食材をローテーションに組み込む
また、食品だけでの摂取に不安がある方には、後述するようなサプリメントによる補助も一つの手段です。
コリンと葉酸はセットで考えるべき?

どちらも「胎児の健康」に重要な栄養素
妊娠期において、葉酸は「神経管閉鎖障害のリスクを下げる栄養素」として、厚生労働省が積極的な摂取を呼びかけていることは、すでに広く知られています。
一方で、コリンもまた、胎児の脳や神経の発達に欠かせない栄養素であるにもかかわらず、日本ではまだ認知度が低いのが現状です。
葉酸とコリンの両方がホモシステインの代謝に関わっていることからも、2つをセットで意識することが、胎児の健康と妊婦の栄養管理のうえでとても重要です。
なぜ“葉酸だけ”では不十分なのか
葉酸は、ビタミンB群の一種として胎児の発育に欠かせない栄養素ですが、葉酸だけでカバーできない代謝経路や生理機能を、コリンが補っていることが分かっています。
たとえば、葉酸が不足した状態では、コリンが代替経路としてホモシステイン代謝を担うことで、体内のバランスを維持しようとする働きがあります。
逆に、コリンが不足していると、葉酸に過度な負担がかかり、代謝がうまくいかなくなる可能性もあるため、一方だけに偏った栄養摂取では、理想的な体内環境が保てないこともあります。
葉酸サプリにコリンが含まれていない理由
市販されている多くの葉酸サプリメントには、ビタミンB群や鉄分、カルシウムなどが配合されていることがありますが、コリンが含まれている製品は少数派です。
これは、日本においてはまだコリンの摂取基準が明確に定められておらず、機能性表示などの制度にも十分に組み込まれていないため、メーカー側が配合しにくいという背景もあります。
加えて、コリンには独特の風味があるため、サプリメントにすると飲みづらくなることを避けて配合を見送っているケースもあるようです。
両者をバランスよく摂るためには?
妊娠期の栄養管理では、葉酸をベースにしつつ、意識的にコリンを補うという姿勢が大切です。
以下のような工夫が役立ちます:
- 葉酸はサプリメントで補い、コリンは食事で意識的に摂取する
- コリン入りの栄養補助食品やサプリメントを検討する
- 卵やレバーなどを無理のない範囲で日々の食事に組み込む
妊娠・授乳中にコリンをしっかり摂るには?

日本での摂取基準と推奨量
日本では、コリンに関する摂取推奨量は設定されていません。
一方で、アメリカ医学研究所(IOM)では、ライフステージ別にコリンのAI(目安量)が定められており、以下のようになっています。
| 区分 | AI(目安量) |
|---|---|
| 成人女性(非妊娠・非授乳) | 425mg/日 |
| 妊婦 | 450mg/日 |
| 授乳婦 | 550mg/日 |
これらの数値は、妊娠・出産期におけるコリン需要の増加を反映したものです。
日本においても、今後の研究により同様のガイドラインが策定される可能性があります。
海外の研究・ガイドラインの紹介
アメリカ国立衛生研究所(NIH)のファクトシートでは、コリンの働き、摂取推奨量、食品中の含有量などが詳細に解説されています。
海外ではすでに重要な栄養素の一つとして認識されており、今後の日本でも同様の取り組みが期待されています。
サプリメントで補う場合の注意点
コリンは食事からの摂取が基本ですが、妊娠期のつわりや食事制限により、どうしても十分な量が摂れない場合には、サプリメントの活用を検討する人もいるでしょう。
その際には以下の点に注意が必要です。
- 用法・容量を守る(過剰摂取は下痢や体臭の原因になる可能性)
- 医師・薬剤師に相談してから使用する
- 妊娠中でも安全性が確認されている製品を選ぶ
また、コリンを含む製品は限られているため、葉酸や鉄と一緒に配合されている製品を選ぶことで、総合的な栄養サポートが可能になります。
コリンを意識できる栄養サポート方法
コリンをしっかり摂取するためには、次のような方法が現実的です。
- 毎日1〜2個の卵を料理に取り入れる
- 豆腐や納豆、牛乳などの手軽な食品を常備する
- 献立にレバーや鶏むね肉を取り入れる
- 葉酸に加え、コリンにも注目したサプリを検討する
まとめ:葉酸だけでなく「コリン」も意識した栄養設計を

妊娠・出産期は栄養の質がとても重要
妊娠や出産を迎える女性にとって、食事や栄養は赤ちゃんの健やかな発育だけでなく、ご自身の心身の健康を支える土台でもあります。
特に現代は、働きながら妊娠・出産を乗り越える方も多く、効率的かつ実用的な栄養設計が求められています。
そんな中で、葉酸とともにコリンも重要な役割を担う栄養素であることが、研究や海外のガイドラインからも明らかになりつつあります。
バランスよく、安全に、無理なく摂取するために
コリンは卵やレバー、大豆製品などに多く含まれており、普段の食生活の中で工夫すれば無理なく摂取できる可能性があります。
しかし、つわりや体調の変化、食の好みなどによっては、十分な量を毎日確保するのが難しい方も少なくありません。
だからこそ、「不足していないか」を意識し、必要に応じて栄養補助食品やサプリメントで補うという考え方も大切です。
その際には、信頼できる製品を選ぶこと、過剰摂取にならないよう医師・薬剤師に相談することを忘れずに。
最後に:自分と赤ちゃんのために「知って選ぶ」姿勢を
コリンはまだまだ認知度が高い栄養素とは言えませんが、海外ではすでに妊娠期に重要な栄養素の一つとして位置づけられています。
自分と赤ちゃんの健康を守るために、必要な情報を知り、適切な判断をしていく。
それが、これからの妊娠期・育児期を健やかに乗り越える力になるはずです。
よくある質問(FAQ)

Q. コリンは妊娠中になぜ重要なのですか?
胎児の脳や神経の発達に深く関わる栄養素であり、葉酸とともにホモシステイン代謝を支える役割を担っています。
海外の研究では、妊娠中に十分なコリンを摂取することで、赤ちゃんの記憶力や注意力に良い影響を与える可能性も示されています。
Q. コリンはどんな食品に多く含まれていますか?
卵黄・レバー・大豆製品・牛乳・鶏むね肉などに比較的多く含まれています。
卵1個で約200mg前後のコリンが含まれており、妊娠期の摂取目安に近づけるには、複数の食品をバランスよく摂ることが大切です。
Q. 葉酸サプリだけではダメですか?
葉酸は重要な栄養素ですが、葉酸とコリンは異なる代謝経路を担っており、それぞれの働きがあります。
葉酸サプリを摂っていても、コリンが不足していると代謝がうまく働かないこともあるため、両方を意識することが推奨されます。
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