引越し手続き完全ガイド|やることリストでスムーズに準備・届出・各種変更を

引越し手続き完全ガイド|やることリストでスムーズに準備・届出・各種変更を



役所で必要な公的手続き(転出・転入・転居届)

市区町村役場での届出(引越しの14日前から可能)

引越しに伴う手続きの中で、もっとも基本となるのが役所への届出です。

日本では、住所を変更した場合は市区町村への届出が義務づけられています。

以下のように、引越しのパターンによって提出する届出が異なります。

引越しのパターン必要な届出
市区町村をまたぐ引越し転出届(旧住所)+転入届(新住所)
同じ市区町村内の引越し転居届

転出届・転入届・転居届の違いと必要書類

どの届け出でも、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)が必要です。

また、代理人が届け出をする場合は委任状も必要になります。

  • 転出届:引越し前の市区町村に提出。引越しの14日前から提出可能
  • 転入届:引越し後の市区町村に提出。引越し後14日以内に手続き
  • 転居届:同じ市区町村内での引越し時。引越し後14日以内に提出

引越しに伴うマイナンバーの変更手続き

マイナンバーカードを持っている人は、転入届と同時に住所変更手続きも必要です。

新しい住所が記載されるまで、カードは一時的に預けることになります。

マイナンバーカードを持っていない方は、通知カードの廃止により基本的に新たな発行はありませんが、住民票コードに基づいて行政サービスは継続されます。

住民票・印鑑登録・国民健康保険の手続き

役所での手続きには、その他にも次のようなものがあります。

  • 住民票の写し:引越し先で取得可能
  • 印鑑登録:転入後、改めて登録が必要
  • 国民健康保険:転出先で脱退し、転入先で加入手続き

これらはそれぞれの窓口で別々に案内されることが多いため、役所に行く日は余裕のある日を選ぶことをおすすめします。


ライフラインの停止・開始手続き(電気・ガス・水道)

電気の解約・新居での開始手続き

引越しに伴い、電気の「停止」と「開始」の手続きを行う必要があります。

今では多くの電力会社がネット上で簡単に手続きできるようになっています。

引越し当日、電気のブレーカーを落とすことを忘れずに

新居では、開始日当日にブレーカーを上げることで通電するケースが多く、立ち会いは基本不要です。

ガスの閉栓・開栓には立会いが必要

ガスについては、原則として開栓時に立会いが必要です。

作業員が安全点検を行い、ガス漏れなどがないかを確認します。

希望の日時に予約が取れないこともあるため、1〜2週間前には連絡しておきましょう

閉栓時も同様に、ガス元栓を確認し、支払い方法(口座振替やクレジット)の引継ぎなどを行います。

水道の停止と開始の連絡方法

水道局へは電話・FAX・インターネットで手続き可能です。

新居では水が使える状態になっていることがほとんどですが、まれに止水状態になっていることもあるため、到着当日には水道の開栓確認をしましょう


インフラ系の住所変更(インターネット・NHKなど)

インターネット回線の移転手続きは早めが鉄則

引越し先でもインターネットを利用する場合、現在利用中の回線を移設するか、新たに契約し直す必要があります。

特に光回線など工事が必要な場合は、希望日に間に合わないこともあるため、できるだけ早めに申し込みを行いましょう。

ネット回線の移転は以下のステップで行われます。

  • 現在の契約会社に連絡して「移転手続き」の申し出
  • 新居での提供可否の確認
  • 工事日程の調整(1〜2週間後になるケースも)
  • ルーターや配線の準備

また、移転時に契約内容やプロバイダを見直すよい機会でもあります。

違約金やキャンペーン特典も比較検討しておくと損を防げます

NHKの住所変更と契約内容の確認

NHKの住所変更も忘れてはいけません。

現在は「NHKネット手続き」で簡単に申請が可能で、テレビを設置する予定がある場合は契約が必要になります。

すでに契約中の方も、転居先で再契約すると重複請求されるおそれがあるため、住所変更のみの手続きに留めましょう。

ケーブルテレビやBS/CS契約の移転手続き

CATV(ケーブルテレビ)やBS/CS放送の受信環境は、引越し先の建物によっては利用できない場合もあります。

集合住宅の場合は管理会社やオーナーに確認が必要です。

移設工事が必要な場合は、インターネットと同様に日程調整が必要なため、引越し1か月前を目安に連絡を入れておくと安心です。


郵便物の転送届と重要な届け出先

郵便局の転居・転送届の出し方(無料)

引越しをした際に、旧住所に届いた郵便物を新住所に転送してくれる「転送サービス」は、日本郵便が無料で提供しています。

このサービスを利用するには、「転居届」を提出するだけでOKです。

提出方法は以下の2通り:

  • 窓口で紙の「転居届」を提出(身分証明書が必要)
  • 日本郵便の「e転居」サイトからオンライン申請

この転送サービスは1年間有効です。

それ以降も継続する場合は再申請が必要です。

本人限定受取や書留を受け取るために

転送サービスは通常の郵便物には有効ですが、本人限定受取郵便や書留、宅配便には対応していません

これらは差出人の方で住所変更が必要です。

そのため、重要書類を取り扱う機関(金融機関、保険会社、クレジット会社など)へは、速やかに住所変更手続きを行う必要があります。

クレジットカードや保険など、住所変更が必要な主なサービス

以下のようなサービスは、郵便転送に頼らず、必ず自分で住所変更を届け出る必要があります。

  • 銀行口座
  • クレジットカード
  • 生命保険・火災保険・医療保険
  • 証券会社・投資信託口座
  • ネット通販(Amazon、楽天など)
  • 携帯電話会社(契約者情報の更新)

それぞれの公式サイトやアプリで住所変更できることが多いため、事前にログイン情報を確認しておくとスムーズに手続きできます。


子ども・学校・保育園の転校・転園手続き

学校への転校手続きの流れ

小中学生の子どもがいる場合は、転校手続きも大切な準備の一つです。

一般的な流れは次の通りです。

  1. 現在の学校で「在学証明書」「教科書給与証明書」などを受け取る
  2. 新住所の学区にある学校に転入予定であることを教育委員会に連絡
  3. 転入先の学校に書類を提出
  4. 登校開始日を決定

転校に際しては、制服や通学ルート、学校行事の違いに注意が必要です。

なるべく子どもの不安を取り除いてあげましょう。

保育園・幼稚園の転園連絡と手続き

保育園や幼稚園に通っている場合も、早めに転園の準備を始める必要があります。

特に認可保育園は空き状況によって転園できない場合もあるため、引越しが決まった段階で市区町村の保育課に相談しておきましょう。

教育委員会への問い合わせが必要なケースも

公立校への転校については、自治体の教育委員会が窓口になります。

特に学区の境界線が複雑な地域では、希望通りの学校に通えないケースもあるため、事前に問い合わせることが大切です。


運転免許証・車・バイク関連の手続き

運転免許証の住所変更は警察署や運転免許センターで

引越し後は、運転免許証の住所変更手続きも必要です。

これは任意ではなく、道路交通法によって義務づけられています。

手続きは以下の場所で行えます。

  • 新住所を管轄する警察署
  • 運転免許センター
  • 一部の運転免許更新センター

必要書類は以下の通りです:

必要なもの備考
運転免許証本人確認書類としても使用
新住所が確認できる書類住民票・公共料金の領収書など
印鑑(認印)不要な場合もあり

車検証・車庫証明の変更手続き

自動車を所有している方は、運輸支局での車検証の住所変更(「変更登録」)が必要です。

加えて、新しい保管場所での「車庫証明(自動車保管場所証明書)」の取得も求められます。

以下のように進めます:

  1. 新住所を管轄する警察署で車庫証明を申請
  2. 車庫証明が発行されたら、運輸支局で車検証の変更登録
  3. ナンバープレートの変更が必要な場合もある(地域が変わるとき)

手続きを怠ると、罰金や行政処分の対象となることがあるため注意が必要です。

バイクや原付も忘れずに名義・住所変更を

軽二輪(125cc超〜250cc以下)や原付バイクも、車と同様に住所変更の手続きが必要です。

自治体や陸運支局で手続き内容が異なるため、事前に確認しておきましょう。


銀行・クレジット・保険・証券会社の住所変更

銀行口座の住所変更はネットバンキングが便利

銀行の住所変更は、ほとんどの金融機関でインターネットやアプリから手続き可能です。

ただし、本人確認のために郵送書類や窓口対応が必要になる場合もあります。

変更しておくべき理由としては:

  • 郵送物が届かないと口座凍結されることがある
  • 住所確認が必要な取引が制限される

特に公共料金の引き落としに使っている口座は、金融機関とライフライン会社の両方で住所変更が必要になるため注意しましょう。

クレジットカード会社への届け出を怠るとトラブルに

クレジットカード会社は、会員規約上「登録住所の変更届出」を義務化しています。

変更がなされていないと、更新カードや請求書が届かずに利用停止になる恐れもあります。

各カード会社のマイページやアプリで変更手続きができるので、引越し後できるだけ早く対応しましょう。

生命保険・損害保険・火災保険の住所変更

保険会社の多くも、マイページから住所変更が可能です。

とくに火災保険については、新居に合った補償内容かの見直しが必要になります。

賃貸から持ち家に変わる場合などは、新たな火災保険への加入が必要ですし、引越しのタイミングで保険内容を確認しておくと無駄な支払いを防げます。

証券口座やNISA・iDeCoの変更も必要

証券会社の口座やNISA、iDeCoなどの制度では、税務上の登録住所の正確さが求められます

住所変更を怠ると、確定申告時にトラブルとなる可能性があります。

こちらもインターネットから手続きできる場合が多いですが、マイナンバー登録が済んでいないと郵送対応になることもあるため、余裕を持って準備しましょう。


勤務先・アルバイト先・関連機関への届け出

勤務先や所属組織への住所変更報告

引越し後は、勤務先へ速やかに住所変更を伝えることが必要です。

給与明細や年末調整に関わる書類が正しく届かなくなる可能性があります。

また、会社が社会保険に加入している場合は、健康保険証の住所変更にも影響があるため、総務部や人事部への連絡を忘れずに行いましょう。

年末調整や住民税に影響が出る場合も

住民税は、「1月1日時点で住民票がある自治体」から徴収されます。

年末〜年始に引越しをする場合は、住民税の納付先が変更になるケースがあるため、勤務先でも手続きが必要になる場合があります。

アルバイト・パートでも源泉徴収票の発行に関係あり

アルバイトやパートの場合でも、源泉徴収票を正しい住所に送付してもらう必要があります。

扶養内で働いている場合は、家族の控除対象にも影響するため、細かい情報でも共有しておきましょう。


引越し後の生活に向けた「やっておくと安心」なこと

近隣へのあいさつとごみ出しルールの確認

引越し直後にまず確認すべきは、ごみの分別ルールや収集日です。

自治体ごとにルールが異なり、無断投棄や不適切な出し方はトラブルのもとになります。

また、隣近所へのあいさつも円滑な新生活のスタートには大切なマナーです。

簡単な手土産とともに一言でも挨拶できると印象が良くなります。

自治体の防災情報やハザードマップを確認

住む地域が変わることで、地震・台風・水害などのリスクも変わります。

各自治体が提供しているハザードマップを確認し、避難所や避難ルートも把握しておきましょう。

また、防災無線の受信やスマホアプリの登録も、新居に合わせて見直しておくと安心です。

火災報知器・ガス漏れ警報器の設置確認

とくに中古住宅や古い賃貸住宅では、火災報知器やガス漏れ警報器の設置が義務化前のケースもあります。

万一に備えて、自分で安全確認を行いましょう。


【チェックリスト付き】引越し手続きのやることリスト

引越しには多くの手続きが伴います。

漏れを防ぐためにも、チェックリストを使って「完了したもの・これからのもの」を明確にしておくことが重要です。

以下に、引越しに関する主要な手続きを時系列順にまとめた表をご紹介します。

時期 手続き内容 完了チェック
引越しの1か月前〜2週間前

・引越し日程の決定

・役所への転出届(他市区町村に引越す場合)

・インターネット回線の移転手続き

・郵便局の転送届提出

・ガス・電気・水道の停止・開始連絡

・学校・保育園への連絡と書類取得

引越しの1週間前〜前日

・冷蔵庫・洗濯機などの水抜き

・冷凍食品や生鮮品の消費

・引越し当日の持ち物準備(貴重品・書類類)

・近隣へのあいさつ(騒音対策)

・旧居の清掃

引越し当日

・ブレーカーの電源OFF

・ガス・水道の元栓確認

・荷物の確認と積み忘れチェック

・鍵の返却(賃貸の場合)

引越し後14日以内

・役所で転入届(または転居届)

・マイナンバー住所変更

・印鑑登録・国民健康保険の手続き

・運転免許証の住所変更

・車・バイクの登録住所変更

引越し後1か月以内

・銀行・保険・クレジットの住所変更

・勤務先・アルバイト先への届け出

・火災保険の内容見直し

・防災情報やごみ出しルールの確認

このチェックリストは、スマホのメモや印刷して冷蔵庫に貼っておくなど、ご自身の生活スタイルに合わせて活用してください。


よくある質問(FAQ)

Q. 転出届と転入届はどちらを先に出すべき?

A. 転出届は引越し前に、転入届は引越し後に提出します。

提出先が異なるため、同日に済ませることはできません。

Q. 引越し手続きはオンラインでもできますか?

A. 一部手続きはオンライン対応しています。

郵便局の転送届、マイナンバーカード対応の一部行政手続き、金融機関の住所変更などはネットで完結できますが、転入届などは窓口対応が基本です。

Q. 家族全員分の手続きは誰がやる?

A. 世帯主または委任された方がまとめて手続きすることが可能です。

ただし、住民票や印鑑登録など一部の手続きでは本人確認が必要な場合もあるため、事前に確認を。


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